銀座「メゾン コーセー」(2019年12月撮影)
Image by: FASHIONSNAP
コーセーが、2021年3月期第3四半期(2020年4月1日~12月31日)の連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響でインバウンド需要が大幅に減少したことが響き、売上高は2041億3500万円(前年同期比18%減)、営業利益は111億4100万円(同70.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は86億8100万円(同65.1%減)と減収減益だった。
国内では、日本人による消費は緩やかな回復を見せたものの、インバウンド売上高は16億円と前年同期から140億円近く減少し、全体の売上高は1245億円(前年同期比28%減)と低迷。中国ではロックダウン解除後に全チャネルで順調に売上高が伸長し、中でも「コスメデコルテ(DECORT?)」の売れ行きが好調だったことから、中国?韓国?台湾などのアジア地域全体の売上高は567億円(同21%増)と、地域別で唯一前年比プラスとなった。欧米事業は「タルト(tarte)」のEC売上が前年比64.8%増加を記録したものの、オフラインで苦戦を強いられ、売上高は228億円(同20.5%減)に落ち込んだ。
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ブランド別ではコスメデコルテが中国で人気が継続したほか、日本国内で販売した新作フレグランスの動きが良かったという。このほか薬用保湿美容液「セラム ヴェール」とシワ改善美容液「ザ リンクレス」などが売れた「ワンバイコーセー(ONE BY KOS?)」、シグネチャーアイテム「ザ アイシャドウ」をリニューアルした「アディクション(ADDICTION)」、製薬会社マルホとの共同開発によるヘパリン類似物質配合ブランド「カルテHD」はプラス成長。一方で「アルビオン(ALBION)」や「雪肌精」などのブランドは振るわなかった。ドラッグストアなどでの販売を中心とするコスメタリー事業では、リップコート「リップ ジェル マジック」やマスカラコート「カールキープマジック」といったマスク着用時に対応した商品が売上に貢献したものの、クレンジングやシートマスクをはじめとしたスキンケア商材が苦戦した。
新型コロナウイルスの流行に伴う緊急事態宣言の再発出による国内の消費マインド低下などを踏まえ、昨年4月に開示した通期の連結業績予想について下方修正すると発表。売上高は2800億円(従来予想2866億円)、営業利益は130億円(同172億円)、経常利益は160億円(同182億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は110億円(同125億円)にそれぞれ引き下げた。
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