cado モバイルディフューザー STEM Mini
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山口:今年の後半は移動も増えてきたので、宿泊先でよく使っているのがこれです。
F:「カドー(cado)」のディフューザー。かなりミニマルなデザインですね。調べてみたら、加湿や除菌、アロマディフューザーと、色々と使えるとのこと。
山口:カドーさんとは昨年、「NF」コラボで加湿器と空気清浄機を作らせてもらった繋がりがあるんですよね。今年出たこのアイテムは本当に良くて、僕はアロマディフューザーとして使っています。スイッチ入れてみますね。
F:すぐに香りが広がってきました。
山口:香る量を調整したりタイマーも付いているので、ホテルとかでちょっと寝る前につけておくとリラックスできるんですよね。これひとつで部屋の空気が変わるから、本当におすすめ。
F:グレープフルーツのような良い香りがします。
山口:3種類から選べて、これは「03」CLEANSEですね。
F:本企画では過去に香水なども紹介してもらいましたが、今年は新調されましたか?
山口:とくに前半は常に家で音楽を作っていたので、香水よりも部屋の中の環境しか意識していませんでしたね。自宅だと、フランスの「マドエレン(MAD et LEN)」と、あとGEN GEN ANの丸若さん(丸若屋代表 丸若裕俊)のプロジェクトで僕も関わっている「マボロシ(MABOROSHI)※」の茶香炉。この2つが歌詞を書く時のパートナーでした。
※丸若裕俊が主宰し、山口一郎もプロジェクトメンバーの一人として携わっている香りのブランド。2017年に始動したGEN GEN AN 幻プロジェクトに端を発し、2020年にスタートした。https://maboroshi54.com/
F:洋と和、対照的な感じですね。
山口:でも僕が不思議だなと思ったのは、茶香炉ってお茶の葉を炒るような形なのですが、これを日本の田舎で嗅ぐと少し懐かしい感覚だけど、西洋建築の中で嗅ぐとすごくフレッシュに感じて。これって音楽もそうで、例えば同じジャズでも日本家屋で聴くのとジャズバーで聴くのとでは、感じ方が違ってきますよね。
F:確かに、通ずる部分がありそうです。
山口:手で触れず目にも見えないけど、人の感情をコントロールするもの。そういう意味で、香りと音楽はすごく近いものだなと再認識しました。
開化堂 茶筒チェア
F:巨大な茶筒ですね...!
山口:これはすごいんですよ。京都の開化堂6代目の八木さん(八木隆裕)が作ってくれたものです。八木さんは僕と同世代で、日本の伝統文化を海外で伝えていくことをやられていて、茶筒をお茶以外の用途に広げているんですよね。それって普通は抵抗があることなんじゃないかと思うのですが、現代カルチャーに合うようなデザインを取り入れていたり、伝統との向き合い方にすごく共感できて。
F:開化堂は、日本で最も歴史のある手作り茶筒の老舗です。
山口:その八木さんと話していたら、明治時代の頃に作られた巨大な茶筒があったそうで、見せてもらったら「あ、これ椅子にいいな」と思って。その流れで八木さんに作ってくださいとお願いしたら、半年後に「できました!」とこれを送ってくれたんです。
F:本当に作ってくれたんですね。
山口:「茶筒に座れるようになればいいな」というくらいの感覚でいたのですが、座面にちゃんとレザーを張ってくれて、しかも側面は漆塗り。八木さんの狂気を感じましたね(笑)。
F:(笑)。蓋がスッと静かに閉まる構造は、ちゃんと茶筒。黒という色も山口さんに合っています。
山口:化粧台の椅子みたいに中に物が入れられるし、実際に座れる強度なので、これはかなりの職人技だと思います。価格がジャンヌレの椅子と同じくらいで怯みましたが(笑)、世界にひとつですからね。
F:開化堂は以前、コンパクトスピーカー「響筒」なども作られていましたよね。伝統を守りながら変えていく姿勢を感じます。
山口:音楽もそうで、僕は「変わらないまま変わる」がキーワードなんです。違った価値を付加したり、世代やカルチャーをミックスして新しいものを生み出したり、変化させていくことは大事だなと。八木さんもそうですが僕の周りには"変態"というくらい本当にすごい人たちばかりで(笑)、いつも刺激を受けているんですよね。
今年を振り返って
F:今年のベストバイは"コロナ2周目"の「新しい定番を探す」という考えで、新鮮なラインナップになりました。
山口:このコロナ禍で、それまで当たり前だったことが当たり前じゃなくなったんですよね。その中で適応したり工夫して、身につけるものを見直したり、新しいものに挑戦してみると発見がありました。自分に似合うものよりも好きなものを選んでみたり。それを着続けると、だんだんと自分に合ってくるんです。それってファッションの面白さなんじゃないかなとも感じました。
F:山口さんはミッドセンチュリーがお好きだと思いますが、インテリアでも何か変化はありましたか?
山口:嗜好が少し変わってきて、今集めたいのがミッドセンチュリーでも日本のものになってきています。丹下健三、前川國男、剣持勇...そういった方々がデザインした椅子や家具は多く存在していても、例えば建物の解体とともに捨てられたりすることも多いらしくて。そういったものを守っていくような活動にも関わっていきたいと思っています。ただ、椅子はもう置ききれないのですが(笑)。
F:今年はご自身とサカナクションの活動としても、新プロジェクト「アダプト/アプライ※」を発表するなど、新しいことに踏み出した年でもあるかと思います。どんなことが印象に残っていますか?
※第1章【アダプト】”適応”、第2章【アプライ】”応用”からなる2つのシリーズで構成されるプロジェクト。第1章【アダプト】はオンラインライブで幕を開け、新曲を初披露。全国アリーナツアーを開催し、2022年3月にコンセプトアルバム「アダプト」をリリース予定。その後、第2章【アプライ】へと移行していく。
山口:従来だとシングルをリリースして、アルバムを出して、そのあとツアーを回ってオンラインライブ、というのが通例なのですが、その順番を逆にするという実験的なプロジェクトを始めました。ある種システム化されてるものから抜け出したらどうなるのか、チャレンジすることって僕ら自身がドキドキすることなんですよね。そんな中で迎えた2年ぶりのアリーナライブで、席が埋まっている光景を前にしたら、本当に感動したんです。大きな感謝とか、特別な気持ちになりました。そういった感覚を共有できたら嬉しいですね。
F:今その「アダプト」ツアーの真っ最中です。衣装は今回も三田さんが担当されていますね。
山口:プロジェクト第1章のコンセプトである「アダプト」を、素材や形がバラバラのパーツをボタンで繋げて、組み替えたりできるようなシャツに反映して制作してくれました。商品化できたらいいなと思っているくらい良くできていて。三田さんは本当に変態です(笑)。
F:商品化、待っています(笑)。来年に続くプロジェクトの第2章「アプライ」も楽しみにしています!
■山口一郎
1980年北海道生まれ。「サカナクション」として2005年に活動を開始し、2007年にメジャーデビュー。2015年から「NF」をスタートさせ、カルチャーをミックスした多様なプロジェクトを展開。2020年のコロナ禍には初のオンラインライブ「SAKANAQUARIUM 光 ONLINE」を開催した。2021年にはファンクラブツアー「NF OFFLINE」でひとり全国を巡り、10月に新プロジェクト「アダプト/アプライ」を発表。その皮切りとして11月にオンラインライブ「SAKANAQUARIUM アダプト ONLINE」を行い、12月から全国アリーナツアー「SAKANAQUARIUM アダプト TOUR」を開催中。※ツアーファイナルの1月29日と30日、日本武道館追加公演はオンライン配信を予定。
サカナクション公式サイト
NF公式サイト
■山口一郎のベストバイ
【2016年】【2018年】【2019年】【2020年】
【2021年ベストバイ】
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