ユニクロのフリース誕生から28年、初の大幅値上げに踏み切る意味 ファストリ岡﨑CFO「妥協したくないという大きなこだわりがある」
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ユニクロのフリース誕生から28年、初の大幅値上げに踏み切る意味 ファストリ岡﨑CFO「妥協したくないという大きなこだわりがある」
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ファーストリテイリングは今秋からフリースをはじめとした一部の定番商品を値上げすることを受け、2022年8月期第3四半期の決算会見に出席した岡﨑健 取締役グループ上席執行役員CFOが見解を示した。素材高や輸送費の高騰、急激な円安傾向などによる物価上昇に伴うものだが、フリース誕生から28年で初となる大幅値上げに消費者の間で困惑の声も上がっている。
同社では既に一部の春夏商品の価格を見直しており、秋冬シーズンから価格改定に本格的に着手。ユニクロの定番商品であるフリース類など一部商品が対象で、フリースは1990円から2990円、ウルトラライトダウンジャケットは5990円から6990円に値上げする。ユニクロがフリースの価格を大幅に引き上げるのは1994年の販売開始以降、今回が初めて。フリースの値上げについて岡﨑CFOは「この場で表層的な説明をするより、『なぜこの価格にさせて頂くのか』を会社としてしっかり多くのお客様にご説明していきたいと考えている。フリースは皆様にとってのエッセンシャル商品であり、我々にとっての定番商品。そういった商品を値上げするということに対しては、我々にも重いものがある。煎じ詰めて言えば、品質を落としたくない、妥協したくないという大きなこだわりがある。そのためには価格を上げさせて頂くしかない。ただ、商品作りをしている人間にはもっと深い想いがあり、そういったことも含めて今後しっかりお伝えしていきたい」と話した。
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また、2023年春夏シーズン以降の価格の見直しについては明言を避けたものの、「値頃感が通じる商品と、そうではないものを一品一品、見極めていく必要がある。商売の精度が益々問われる局面に来ている」とし、円安に歯止めがかからなければ更なる価格改定を視野に入れる可能性を示唆した。
円安が続く中、ファッション企業を含め小売各社は大幅な商品の値上げに踏み切っている。「バルミューダ」「スターバックス コーヒー」「ライカ」「ロレックス」などが今年に入り、相次ぎ値上げを発表。このほかアパレル業界での動向として、しまむらでは定番商品「FIBER DRY」や「FIBER HEAT」といった肌着類は引き続き価格を維持する方針で、特価や低価格商品は数量を減らし、「CLOSSHI PREMIUM」を中心に高価格帯商品の取り組みを強化していくことで全体として値入率をキープし、利益を確保していくという。良品計画は、2022年度8月期第3四半期の決算説明会において「既存商品は価格を維持する一方で、新商品は素材もデザインも異なるため、価格帯の幅を広げ、商品全体で打ち出していく」とコメントしている。相次ぐ物価上昇により消費の冷え込みに一層拍車がかかる中、価格改定でも消費者にどう納得感を持ってもらうか、プロモーションを含めた企業の模索が続きそうだ。
なお、ファーストリテイリングでは来期以降、日本国内のパートタイム?アルバイトの時給を10?30%程度の大幅アップを行う方針。「欧米では人不足が進んでおり、優秀な人材を確保するのが中々難しい。日本においてもこうした局面が来るのではないかと感じている。成長意欲があり、会社へ貢献してくれるような人材にいかに入ってきてもらうか、人材投資の重要性は今後にかけてのポイントだと考えている」(岡﨑CFO)。
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