ゲルライトスリーシーエム1.95
Image by: FASHIONSNAP
「アシックス(ASICS)」が、温室効果ガス排出量を抑えた「ゲルライトスリーシーエム1.95(GEL-LYTE III CM 1.95)」を発表した。一足あたりの温室効果ガス排出量は1.95kgCO2eで、現時点で温室効果ガス排出量が公表されているスニーカーの中で最小となる。
同社は、2030年までの中期経営計画で「デジタル」「パーソナル」と並ぶ重要なテーマの一つとして「サステナビリティ」を掲げており、その中でもスポーツに及ぼす影響が大きい「気候変動」への対応に力を入れている。2050年までに事業における温室効果ガス排出量実質ゼロを目指しており、同モデルの開発は温室効果ガス排出量実質ゼロに向けた最新の取り組みとなる。これまで温室効果ガス排出量が世界最小とされていたモデルはスニーカーで4.3kg、ランニングシューズで2.9kgで、大幅に抑えることに成功した。
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同社では、2010年に発表したマサチューセッツ工科大学との共同研究時に作られた計算方法に基づき、温室効果ガス排出量を4つのフェーズに分けて計算。1.95kgCO2eの内訳は「材料調達&製造」で1.33kgCO2e、「輸送」で0.15kgCO2e、「使用」で0.03kgCO2e、「廃棄」で0.43kgCO2eとなっており、特に材料調達&製造では従来品と比べて約80%削減したという。キーとなるミッドソールの素材は、ブラスケム社の「Bio-EVA」や、クラレ社製のスチレン系熱可塑性エラストマー「セプトン? BIO-シリーズ」など複数のバイオベースポリマーを混ぜ合わせた「カーボン?ネガティブ?フォーム」で、バイオベースの原料が成長過程で吸収するCO2量が、フォームを作成する際に発生するCO2量を上回っていることからカーボンネガティブを実現した。
パーツ数の比較(写真左から:ゲルライトスリーシーエム1.95、従来のゲルライトスリー)
ゲルライトスリーシーエム1.95
従来のゲルライトスリー
ゲルライトスリーシーエム1.95のアッパー
従来のゲルライトスリーのアッパー
そのほか、サイドのアシックスストライプを刺繍であしらい、アイレットをウェビングテープにアレンジするなど従来のゲルライトスリーと比較してパース数を65から19に減らしたことも温室効果ガス排出量削減に繋がっている。シューズの重量は27cmで約463g。価格は現段階では未定だが150ドル程度を予定。2023年に発売される。
代表取締役社長COOの廣田康人氏は、今回の発表について「ゲルライトスリーシーエム1.95が『2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ』の実現に向けて、スポーツ業界に真のポジティブな変化をもたらす一助となることを願っています」とコメント。同社ではサステナビリティと品質の両立を最大のチャンレンジとしており、まずはライフスタイルモデルでの発表となったが、耐久性などの問題をクリアし次第ランニングをはじめとしたパフォーマンスモデルにも展開していく予定だという。
ゲルライトスリーシーエム1.95
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代表取締役社長COOの廣田康人氏
代表取締役社長COOの廣田康人氏
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