今やコーディネートの一部となったメガネ。視力をサポートする医療器具という役割はもちろん担っているものの、昨今では伊達メガネも定番化。今シーズンはレトロなビッグフレームや細めのメタルフレームに代表される、ちょっぴり野暮ったさがあるギークなメガネが人気です。様々なブランドからもメガネやサングラスが登場している今、ファッションアイテムとしてメガネを取り入れたいと思う人も多いはず。そこでまずはメガネについて基礎的な知識を知っておきましょう。フレームの種類やどんなパーツから構成されているのかを知れば、お客さまに聞かれたときはもちろん、自分に似合うメガネ選びもスムーズになるはずです。
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メガネのパーツと役割
メガネは複数の部品から構成されるアイテムなので、それぞれに名前と役割があります。ここではそのパーツと役割について解説していきます。
リム
メガネのレンズを囲う部分で、リムによってレンズを支えています。全体にリムがあるものをフルリム、上部のみ、または下部のみのものをハーフリム(またはナイロール)といい、レンズの右端と左端の2点に直接穴を開けたリムのないメガネはツーポイント(またはリムレス)と呼ばれています。なお、ハーフリムやリムレスのリムのない部分にはナイロンのテグスを通してレンズを固定しています。メガネはフルリムかハーフリム、ツーポイントかによって印象が大きく異なり、強度もリムがある方が高くなります。
ブリッジ
左右のリムを繋ぐ部分で、正面から見ると左右のレンズを繋ぐ橋のように見えることからブリッジと呼ばれています。ブリッジはフロントの中央にあるパーツのためにメガネフレームの印象を決める重要な部分で、ブリッジの幅はフロント全体のサイズを決める大きな要素のひとつです。
鼻あて
メガネを支えるために鼻に接する部分で、鼻パッドと呼ばれることも。汚れやすい箇所なのでパーツ交換ができるようになっていることが多いものの、セルフレームなど一体型メガネの場合は交換不可。鼻の高さによって着用感が変わるため、欧米のブランドのものだと平面的な顔のアジア人に向け、アジアンフィットと呼ばれる鼻あてが高く幅広いモデルが発売されていることもあります。
クリングス
鼻あてを支える足の役割をしている部品のこと。金属製で鼻元のフィット感を調節する役割があり、形状はメーカーにより様々。繊細なパーツゆえにメガネの中では破損しやすい箇所でもあります。なお、セルフレームでリムと一体になっている鼻あてと比較し、クリングスで支える鼻あての方が細かな調節が可能です。
智
リムとテンプル(メガネフレームの耳にかける部分)を繋いでいる部分のことを指し、ヨロイとも呼ばれます。正面のレンズ左右の端に位置するために目立ちやすいパーツで、この部分に装飾やブランドのロゴなどがあしらわれることが多いです。
丁番
ヒンジと呼ばれるこの部分は、智とテンプルを接合しているパーツ。テンプルを開閉するための部品なので負担がかかりやすく、破損しやすいため気をつけて扱いましょう。
テンプル
英語で「こめかみ」を意味し、メガネフレームの耳にかける部分でツルとも呼ばれます。メガネをフィットさせるために重要なパーツで、長さに違いがあり顔の大きさに合わせて選びます。テンプルはサイドから見た場合、最も目立つ部分なので、デザインやブランドロゴがあしらわれていることも多く、メガネの印象を大きく左右します。
小口
テンプルの耳にかかる部分のプラスチック製のカバーをモダン(または先セル)と呼び、モダンのテンプルを差し込む穴のことを小口と呼びます。
モダン
テンプルの耳にかかるカーブ状になった部分についているプラスチック製カバーのことで、先セルとも呼ばれます。モダンにはメガネをかけた際の負担を減らすほか、ずり落ち防止の役割があり、かけ心地にも影響します。なお、セルフレームの場合はついていないのが一般的です。
サイズを構成する3つのパーツ
メガネは似合うかどうかも大切ですが、直接顔にかけるだけに、使用感が何よりも重要。かけ心地が悪いと頭痛がしたり耳が痛くなることもあります。数ミリの差でも違和感を感じるアイテムだけに正しいサイズ選びが必須ですが、ここではかけ心地を左右する3つのパーツを紹介します。なお、メガネの多くはテンプルの内側に「55□17-147」などと数字が刻印されており、これがサイズ表記になります。この場合だと55がレンズ幅、17がブリッジ幅、147がテンプル幅になり、これは国際規格に基づいて記載されたボクシングシステムというメガネのサイズ表記です。
レンズ幅
メガネのレンズ1枚分の横幅のことで、顔の幅に合わせて選びます。目安は成人男性で52?56mm、成人女性で50?54mm。メガネをかけた際にレンズの中心部分に瞳の黒目が位置しているかどうかが判断基準となり、メガネを通して顔を見たときに寄り目になっていればレンズ幅が大きすぎ、離れていればレンズ幅が小さすぎるということです。
ブリッジ幅
ブリッジ幅はブリッジの長さのことで、レンズ間距離とも呼ばれます。ここはフロント全体の幅を決める重要な部分であり、ブリッジ幅によってレンズと黒目の位置が決まります。
テンプル幅
耳にかける部分の長さのことで、直線距離で計測します。目から耳までの奥行きによってサイズを選びますが、合わないテンプル幅のメガネを使用していると、眼精疲労などの原因となることも。メガネによってはテンプル幅が長い場合は調節可能ですが、短い場合は延長ができないため、必ずテンプル幅を合わせて購入するようにしましょう。
代表的なフレームの形
メガネフレームによって与える印象は様々ですが、昨今人気なのはビッグシルエット。オーバーサイズ人気がアイウエアにも押し寄せています。オーバーサイズの魅力は小顔効果が得られたり、インパクトがあるためコーディネートのアクセントになるところですが、フレームのシルエットによって雰囲気も一変します。そこで現在人気のある代表的なフレームの種類を紹介していきます。
ウェリントン
やや丸みを帯びた逆台形型。癖がなく合わせやすいデザインで、ビジネスシーンにも似合います。
スクエア
横長の長方形型で、スマートかつキリッとした雰囲気に見せてくれます。
オーバル
卵を横にしたような楕円フォルムで、かけやすいメガネの定番。性別や年齢を問わずマッチします。
ラウンド
いわゆる丸メガネと呼ばれる円に近いフレームのもので、個性的でおしゃれな印象を与えます。
レンズの基礎知識
視力を矯正するためにメガネを着用する場合、重要なのがレンズです。メガネのレンズにはプラスチック製とガラス製の2種類があり、現在は95%がプラスチック素材。プラスチックは軽量で割れにくいというメリットがあり、加工がしやすいのも人気の理由といえるでしょう。一方ガラス製は屈折率が高いレンズが作れ、熱や傷に強く、お手入れはプラスチックよりも簡単。また、より薄いレンズを作れるため、視力がかなり悪くてもレンズの厚みを薄く仕上げることができます。
レンズに寿命はある?
人によっては毎日活動している時間はずっとかけているメガネ。そのため使用頻度が高いほどにダメージも蓄積します。使用頻度や使用方法にもよりますが、一般的には2年程度がメガネの寿命とされており、特にレンズは視力に合わせて交換することが大切です。視力の矯正のためにメガネを利用している場合、見え方に違和感を感じたら視力測定をし、現在の視力にあったレンズに交換を。また、汗や埃などでも劣化するため、使用後はきちんと汚れを拭き取ることも長持ちさせる秘訣です。
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