（左から）ユニクロの「UVカットフェイスカバー」、クロスプラスの「フード付きUVパーカ」、ワークマンの「レディースクールUVサンシェードパーカーEX」

「絶対に焼きたくない」フェイスカバーと融合したUVカットパーカが人気　男性需要も増加

　6月半ばとしては異例となる真夏並みの厳しい暑さが続く中、ファッションの売り場では日焼け対策としてUVカット機能付きの商品が軒並み動いている。特に注目度が上昇しているのは顔面を全面的に覆ったフェイスカバーで、今年は「ユニクロ（UNIQLO）」からも新たに発売。「ワークマン（WORKMAN）」ではパーカとつながったタイプが“不審者パーカ”として話題を呼び早々に完売するなど、「絶対に焼けたくない」という消費者の心理を反映し、肌の露出を極力抑えた商品がトレンドになっている。

ユニクロ、ワークマンも参入するUVフェイスカバー市場

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　ユニクロは今年6月、初めてUVカットフェイスカバー（1500円）を全店舗およびオンラインで販売開始。消費者のUVカット需要の高まりを受け、「ちょっとしたお出かけには日焼け止めを塗るのは面倒と感じる方も多い。さっと手軽に着用できるフェイスカバーのニーズがあるのでは」と注目し、開発に至ったという。

　エアリズムの素材を採用しており、ほほ骨から首全体までしっかりカバーするほか、マジックテープで調整が可能。耳部分もアジャスターでサイズ調整ができるようになっている。発売後の具体的な数字は非公表だが、購入者レビューでは「洗い替えにもう一枚購入したい」など好評で、UVカットのパーカと併用するユーザーも多いようだ。

Image by: ユニクロ

　ワークマンでは、「レディースクールUVサンシェードパーカーEX」（2300円）を4月に発売。マスク付きのパーカは以前から販売しているが、顔までファスナーで隠れるデザインは初めてで、“不審者パーカ”として話題を集めた。2.5万枚を生産したものの5月前半にはほぼ完売。同社によると「日差しが強い日に自転車に乗る時はサングラスをかけるというお客様の声も多く、それならすっぽり覆えるデザインを」と考え、開発したという。なお、今シーズンの再入荷の予定はない。

「レディースクールUVサンシェードパーカーEX」（写真はＤグレー）

Image by: ワークマン

トレンドはパーカタイプ

　フェイスカバーは以前からさまざまなメーカーで販売されてきたが、今年のトレンドはパーカタイプだという。ロフトでは、紫外線対策ウェアの売上高が前年比約160％（2025年3月1日～6月12日?既存店比較）と大幅に伸長。取扱種類数も34種類と前年から10種類増加した。その中でもパーカタイプがよく動いているという。「薄手で通気性に優れていることから、ちょっとした外出時にも着るだけで日焼け対策が完了する利便性や、時短につながることが支持されている」（ロフトの担当者）。

　クロスプラスでも、機能性ファッションブランド「ヨキ（Yoki）」の日焼け対策シリーズ「UV series」で最も売れているのがフード付きUVパーカ（2990円）。売上数は非公表だが、5月上旬までのハンズでの消化率は76％、ロフトでは54％と好調に推移している。他社製品より手の届きやすい価格帯といった要因に加え、バルーン袖のデザインも支持につながっている。ハンズのバイヤーからは「他社と比較してもパーカが予想以上に好調で、他メーカのパーカ類の中でも上位に位置している」と評価されているという。

フード付きUVパーカ（2990円）

Image by: クロスプラス

男性需要が急増、楽天市場では前年比約7倍に

　UV対策が1枚で完結するパーカタイプは、女性だけではなく男性需要も増えているようだ。楽天市場では今年5月から6月にかけての流通額を昨年同時期と比較すると、全体では約1.7倍で伸長したのに対し、メンズ向け商品は約7倍と大幅に伸びたという。楽天グループによると、昨年は男性用日傘の需要が前年比約3.8倍、男性向け日焼け止めクリームが約4.3倍と増加しており、男性の間で暑さ対策やUV対策全般への関心が高まっている傾向がUVカットパーカでも示されていると分析している。

　日本気象協会が今月19日に発表した梅雨明け予想によると、九州から東北にかけては平年よりも早い7月上旬になると見込まれており、紫外線対策グッズの需要は今後ますます増えるかもしれない。