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キジマ タカユキがハイエンドラインを強化 文化継承のために生産背景を広く発信

Image by: FASHIONSNAP

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キジマ タカユキがハイエンドラインを強化 文化継承のために生産背景を広く発信

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 「キジマ タカユキ(KIJIMA TAKAYUKI)」が、2026年春夏シーズンからハイエンドライン「ハイライン(HIGHLINE)」とアップサイクルに焦点を当てたプロジェクト「アンサーイット(answer it)」の展開を本格化する。これまで代官山と渋谷パルコに構える2つの直営店でのみ取り扱ってきたハイラインとアンサーイットを今年秋から国内外でのポップアップを通じて広く展開していく。新たな打ち出しの理由について、デザイナーの木島隆幸とブランドディレクターの梶雅人は、「未来への継承」に向けた取り組みの一環だと語る。

 ハイラインは、2017年秋冬シーズンに誕生。パリの帽子モディストの第一人者 ジャン?バルテ(Jean Barthet)から学んだ、木島の師である日本人帽子職人 平田暁夫が日本に伝えた「オートモード」というクチュール技術を基盤に、現代の感性を融合させた「不変の価値」を表現している。アンサーイットは、パンデミックによる社会情勢の変化によって、東ヨーロッパのファクトリーの閉鎖や材料の供給難、価格高騰で帽子の材料が入手が難しくなってきている中、未来の帽子作りを見据えた挑戦として2021年に立ち上げ。上質な素材を使用しているものの、サイズが小さいことからそのまま被ることができないヴィンテージハットを解体し、職人の手でひとつひとつ再構築したアイテムを展開している。

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Video by FASHIONSNAP

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 キジマ タカユキの根底には「物づくりは人づくり」という信念がある、と梶は話す。近年、貴重な素材の入手が難しくなり、ものづくりの現場では後継者不足が深刻化している。同氏は「日本のものづくりの背景が失われていくことに強い危機感を持っている。素晴らしい技術があっても、担い手がいなければ文化は途絶えてしまう。私たちの世代でこの流れを止めたい」と語る。ハイラインとアンサーイットは、共にキジマ タカユキのメインラインよりも高価な価格設定で展開しており顧客層も異なるが、発信を強化することで消費者に日本の帽子づくりの技術や伝統を知ってもらうこと、その魅力に触れることで未来の担い手が生まれるきっかけづくりを目指すという。

 木島は、「ブランドが、というよりも“帽子業界の在り方”を未来に繋げていくために、技術の伝承だけでなく、帽子そのものをもっと日常のファッションに溶け込ませたい」とコメント。一方で梶は「ヨーロッパのような歴史や階級、ジャンルに縛られず、ファッションの自由度が高く、多様なセレクトショップやブランドが存在していることから、日本は世界でも有数の豊かな帽子のマーケットを持っている」と話す。

クラシカルなタキシードハットからインスピレーションを得たハイラインのストローハット。縦に潰れたようなシルエットで遊び心を持たせた。(8万8000円)

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アマンダと呼ばれる天然ラビットの首毛のみを縮絨した柔らかなフェルトを本体に使用したハイラインの中折れハット。美しい毛並みを崩さないために、ブリムの端はオートモードの技術で手縫いされている。(7万7000円)

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 会場では、木島自身が表から縫い目が見えないオートモードによるミシンワークのデモンストレーションを行い、技術を知ることでわかるデザインの面白みや、職人の多彩な知識や技術が新しいデザインを作り出す引き出しになっていることを知ってほしいと強調した。「クラシックな技術に偏るだけでなく、ファッションの変化に合わせて新しさも取り入れることが重要。次世代に魅力を感じてもらわなければ、業界の継続は難しい。“次の時代の老舗”を目指すためにアプローチをしていきたい」と展望を語った。

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 なお、今回から「ディレクターとしての責任をより明確にし、ブランドの思いや哲学を積極的に発信していく」ことを目的に、これまで裏方に徹してきた梶自身が名前を前面に出すようになった。今後は、ブランドの成長だけでなく、帽子の材料や技術、帽子職人の育成など、帽子業界の未来のことを考えたより大きなテーマでブランドの発信を行っていくという。

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