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“モノが運べなくなる”時代への対策を、アダストリアなど競合4社がアパレルの物流問題に着手

男性5人

(左から)アダストリア グローバルロジスティクス部部長 中嶋俊介氏、アダストリア グローバルロジスティクス部チーフマネジャー 髙田幸則氏、バロックジャパンリミテッド 営業統括本部国内物流部部長 稲垣貴幸氏、TSIホールディングス 生産統括本部SCM部副部長兼ロジスティックス課長 安藤信悟氏、ユナイテッドアローズ SCM本部物流推進部部長 岡崎大輔氏

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(左から)アダストリア グローバルロジスティクス部部長 中嶋俊介氏、アダストリア グローバルロジスティクス部チーフマネジャー 髙田幸則氏、バロックジャパンリミテッド 営業統括本部国内物流部部長 稲垣貴幸氏、TSIホールディングス 生産統括本部SCM部副部長兼ロジスティックス課長 安藤信悟氏、ユナイテッドアローズ SCM本部物流推進部部長 岡崎大輔氏

“モノが運べなくなる”時代への対策を、アダストリアなど競合4社がアパレルの物流問題に着手

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(左から)アダストリア グローバルロジスティクス部部長 中嶋俊介氏、アダストリア グローバルロジスティクス部チーフマネジャー 髙田幸則氏、バロックジャパンリミテッド 営業統括本部国内物流部部長 稲垣貴幸氏、TSIホールディングス 生産統括本部SCM部副部長兼ロジスティックス課長 安藤信悟氏、ユナイテッドアローズ SCM本部物流推進部部長 岡崎大輔氏

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 アダストリア、バロックジャパンリミテッド、TSIホールディングス、ユナイテッドアローズのアパレル大手4社が、「アパレル物流研究会」を立ち上げた。「2024年問題」などを背景に「商品を運べなくなること」へのリスクを鑑み、アパレル業界では異例となる大手競合4社が手を組んだ。8月21日にバロックジャパンリミテッドの本社で行われた説明会では、現在取り組んでいるECモールへの共配など、同研究会による概念実証の成果が報告された。

 アパレル物流研究会は2023年10月に発足。座長は設けておらず、かねてより交流があった4社が物流に対する問題意識が一致したことで、手を取り合うことになったという。

男性5人

取材会の様子

 日本にはアパレル企業が約2500社あると言われるが、業界特有の商慣習として、ブランドのデザインやスタイル、オペレーションに大きなばらつきがあり、他業界に比べて物流面で足並みを揃えるのは難しいとされている。そのため、物流面では各社がそれぞれ運送会社と契約し納品を行っているのが通例だ。一方で、トラックドライバーの時間外労働に上限規制が適用されたことにより、人手不足や長距離輸送が困難化する「2024年問題」、さらにトラックドライバーの高齢化による退職で人手不足に拍車がかかる「2025年問題」が重なることで、「これまで通りにモノが運べなくなる」リスクが高まっている。

 実態として、同研究会が物流会社や小売企業に行ったヒアリング結果によると、運賃は中長距離や異形物に関する値上がりが平均値より高い上昇率となっているほか、納期のリードタイムについては一部の長距離エリアでは荷量が確保できず、毎日納品ができていない状況。また、物流会社が無償で行ってきた時間指定などのサービスが有償化になりつつあるという。これらから、トラックの輸送能力は前年と同水準、つまりまだ“運べない時代”にはなっていないが、足元では賃上げに向けた動きが活発化し、人材獲得競争も激化しているため、賃上げ余力を有していない小規模事業者を中心に“人手不足倒産”の可能性が高まっていると結論づけた。4社の中でも運賃の微増があり、納期遅れはないもののゴールデンウィークや年末年始といった長期休暇では遅延が生じるケースがあったという。

 同研究会でまず取り組んだのは、荷量が集まりやすいECモールへの共配。各社の荷物をまとめることで、出元と受手の生産性向上と効率化の実現を図った。具体的には、ユナイテッドアローズ、バロックジャパンリミテッドの荷物をアダストリアを経由して運送会社で積み替えを行い、それぞれのECモールの拠点に納品するスキームを構築。概念実証の結果、ルートの安定性、足球即时比分,比分直播拡張性の2点で評価が得られ、荷量の確保の点では同スキームに参加する企業を増やすことで改善できるとした。

図

ECモールへの共配のスキーム

Image by: ユナイテッドアローズ

 国内に限らず海外でも「運べない状況」へのリスクが課題となっている。特に海外では、労働人口減少やドライバー不足に加えて、港湾ストライキや、新興?途上国を指す「グローバルサウス」の台頭により、日本向けの貨物スペースの減少が懸念されている。

 同研究会が7月下旬から行っている海外領域の概念実証では、上流から輸送コントロールをする共同輸送を実施している。トライアル出荷地にはベトナムを選定し、荷主と運送業者の間に立って輸出入を手配するフォワーダー(仲介業者)1社に情報を集約。4社間で製品や工場、物量情報を共有しないことを前提とし、スケジュールの一致したものから順次共同輸送を開始している。今後は早期安定化を図るほか、短距離に加えて中距離の共同輸送を検討。輸配送以外の共同化も適切なタイミングで推進していくとしている。

 同研究会は国内外の物流に共通した今後の動きとして、参加企業を集めながら、対策メニューの開発の着手を継続する。すでに数社に声がけを行っているという。具体的なゴールについて、アダストリア ロジスティクス本部 グローバルロジスティクス部 チーフマネージャーの髙田幸則氏は「話ができる段階ではないのが正直なところ」とし、「まずはできる範囲での概念実証に取り組みながら“仲間”を募ることが優先」と話した。

最終更新日:

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(左から)アダストリア グローバルロジスティクス部部長 中嶋俊介氏、アダストリア グローバルロジスティクス部チーフマネジャー 髙田幸則氏、バロックジャパンリミテッド 営業統括本部国内物流部部長 稲垣貴幸氏、TSIホールディングス 生産統括本部SCM部副部長兼ロジスティックス課長 安藤信悟氏、ユナイテッドアローズ SCM本部物流推進部部長 岡崎大輔氏

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