スノーピークが、トップ交代を発表した。10月1日付で、ロエベジャパンやスターバックス コーヒー ジャパンでCEOを歴任した水口貴文氏を代表取役社長執行役員COO兼CBOに任命。創業一族以外が社長に着任するのは、今回が初となる。創業家で現代表取締役社長の山井太氏は、代表取締役会長執行役員CEO兼CCOに就任する。
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スノーピークは1958年の創業以来、創業者の山井幸雄氏から代々、創業一族で経営を行ってきた。2022年に創業家3代目として社長を務めていた梨沙氏の電撃辞任以降は、太氏が執行役員を兼務するかたちで社長業に復帰していた。
新社長の水口氏は、プライスウォーターハウスコンサルティングでキャリアをスタート。2001年にLVJグループ(現ルイ?ヴィトンジャパン)に入社。マーチャンダイジング担当副社長を務めた後、ロエベジャパンカンパニーとロエベ韓国株式会社でプレジデント&CEOを歴任した。2014年にスターバックス コーヒー ジャパンに入社し、COOを務めた後、2016年にCEOに就任。2025年に同職を退いた。スノーピークでは2022年から社外取締役を務めている。
水口氏の社長就任に伴う新体制では、同社が創業以来、大切にしてきた日本ならではの自然観とものづくりをブランドの根幹に置きながら、これまで最注力していたキャンプギアだけではなく、より多様なブランド接点の拡充を目的にアパレルカテゴリーを強化。今後は、世界的なクリエイティブディレクターを起用した新たなラインの発表を予定しているという。また近年、韓国やアメリカを中心に業績好調となっていることから、グローバルにおけるブランド認知の拡大を目指す。
9月30日の今日、関係者向けに行われた発表会には、水口新社長と山井太現代表取締役社長執行役員がともに登壇。水口氏は社長就任にあたり、「私は3年半前からスノーピークの社外取締役を務めるようになりました。デジタルが進む昨今、日々情報に追われる中で、スノーピークが提案する『自然を通して人間性を回復する』ことの価値はますます強くなっています。私は外資系で働いているイメージがあるかと思いますが、かねてから『いつかは日本のブランドで日本の価値観を世界に発信したい』という思いがありました。これからは、創業地である新潟の三条から世界に向けて、スノーピークのブランド価値を発信していきたいと思います」とコメントした。

水口氏と太氏は、家族でキャンプを楽しむ仲。両氏と水口氏の家族での写真とともに、これまでの関係性について触れた。
Image by: FASHIONSNAP
太氏は、水口氏について「経営者として圧倒的な実績と経験を持ちながら、非常に人間的な魅力にあふれた人物です。ずば抜けた才能と豊かな感性を併せ持ち、デザインやブランドといった領域においても深い知見を有しています。今回、お互いの強みを最大限に活かすため、CEOという肩書に加え、私がスノーピークを尖らせる役割を担うCCO(チーフクリエイティブオフィサー)、水口氏がブランドの唯一無二の価値を広げていく役割を担うCBO(チーフブランディングオフィサー)を担当します。水口氏と組むことで、スノーピークはもっと尖ることができると確信しています。今回のバディ経営によって、私たちが信じてやまない『人間らしく生きる時間』をより一層深め、世界中へ広げていきます」とコメントした。
同社は、より自由でスピーディな意思決定のもと、新たな成長軌道を確保することを目的に、2024年2月にマネジメント?バイアウト(MBO)を実施。太氏は、「MBOに伴い経営の自由度を確保するとともに、アパレルを軸とした事業拡大を本格始動するため、このタイミングで、水口氏とともに新たなステージへスタートを切ることとなりました。山井と水口、これからは私たち2人でスノーピークを経営します。2人で責任を分担するのではありません。“バディ経営”を掲げる相棒として、お互いの強みを最大限活かしながら、あらゆる部分で本音の議論を重ねていくことで、私たち2人でスノーピークを進化させていきます。スノーピーク史上初めての体制で臨む未知の挑戦に、ぜひご期待ください」とコメント。
会見では、再上場の可能性についても言及。太氏は「非上場化の際の目的は、現在、高い次元で実現しつつあります。今後さらに事業をブラッシュアップし、適切な時期が来れば再上場したいと考えています。具体的な目標時期としては、最短で2027年の後半、もしくは2028年の第一四半期をターゲットにしています」と展望を明らかにした。
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