今年のお買い物を振り返る「2025年ベストバイ」。13人目は、3年ぶりの登場となるポップクリエイターのあさぎーにょさんです。YouTubeやInstagramで発信するファッションやライフスタイルが若者を中心に人気を集め、今年は「タビオ(Tabio)」や「ゾフ(Zoff)」との協働プロジェクトを手掛けるなど、活躍の幅を広げています。忙しい日々の中でゆっくり買い物に行く時間が限られていたからこそ、「一目惚れ」が買い物の決め手になったというあさぎーにょさん。今年買って良かったモノ7点を紹介してもらいました。
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目次
Julia Heuer ドレス

FASHIONSNAP(以下、F):まずは「ユリア?ホイヤー(Julia Heuer)」のドレス。2着ともに鮮やかなプリントが素敵です。
あさぎーにょ:ユリア?ホイヤーは今、すごく注目しているブランドです。元々狙っていたドレスがあったんですけど、すぐに売り切れてしまい買えなくて。それ以来、新作が出たら必ずチェックしていて、今年に入って2着購入しました。


F:ユリア?ホイヤーのアイコンであるプリーツには、日本伝統の「嵐絞り」の技法が使われているんですよね。
あさぎーにょ:嵐絞りは本来、染色に使われるものですが、ユリア?ホイヤーはプリーツを作るために使っているんです。一つ一つ手作業で形成された立体感のあるシルエットが本当に美しくて、丁寧な手仕事だからこそ成せる業だなと感じます。デザイナーはコペンハーゲンで嵐絞りを学んだそうで、日本の伝統技術を新しい使い方で継承してくれていることが純粋に嬉しいですし、可能性を感じますよね。
F:パフスリーブやスカートのふんわりとした立体感にも、プリーツの技法が活きていますね。
あさぎーにょ:ユリア?ホイヤーのドレスは、パターンが最高なんです。私は体のメリハリが出にくいタイプなので、ボディラインに沿って体をコンパクトに見せるプリーツのアイテムは、実はあまり得意じゃなかったんですけど、そんな苦手意識も払拭してくれました。肩にも少しパットが入っていたりと、体を綺麗に立体的に見せてくれるところが気に入っています。

F:ちなみに、どちらで購入されたんですか?
あさぎーにょ:2点ともに千駄ヶ谷の「ジジナ(GIGINA)」で購入しました。日本でセレクトしているショップが限られていることもあって、一度買えなかった苦い思い出から、入荷してすぐにすっぴんで走って買いに行きました(笑)。
F:(笑)。どんなときに着用していますか?
あさぎーにょ:結婚式や友人宅でのお茶会、表彰式など、ドレスアップしたいときに着ています。今は特別なときに着ることが多いですが、今後は日常でも着ていきたいですね。
TEKLA & HAY バスローブ

左)TEKLA、中央)HAY、右)TEKLA
F:続いてはバスローブですね。3着ありますが、普段からよく着ているんですか?
あさぎーにょ:実は、バスローブ愛好家で(笑)。毎日お風呂上がりに必ず着ています。今年購入した「テクラ(TEKLA)」と「ヘイ(HAY)」の3着は、気分が上がるカラーでお気に入りです。
F:バスローブを着るようになったきっかけは?
あさぎーにょ:プレゼントでいただいてからハマりました。着ているうちにボロボロになってしまって、それ以来、もう何年も着古しては買い替えて、を繰り返しています。

F:個人的にバスローブにあまり馴染みがないのですが、どんなところが良いのでしょうか?
あさぎーにょ:ズバリ、お風呂上がりに即スキンケアができるところです。お風呂から出た瞬間にタオルで体を拭く代わりにバスローブを着て、すぐにスキンケアを始められるのが、とにかく楽です。夏場は特に、お風呂上がりにすぐに服を着ることをストレスに感じるときもあるじゃないですか。バスローブなら暑さが引くまで涼しく過ごせますし、着替えの時間を短縮できるので、小さいお子さんがいる人にもおすすめ。バスローブ=「マフィアの妻」みたいなイメージがまだまだ根強いと思うんですけど、すごく実用的なので、みんなに着てほしいです(笑)。

F:テクラとヘイは、どちらもコペンハーゲンのブランドですね。
あさぎーにょ:コペンハーゲンって、冬は日照時間が短くて気分が落ち込んでしまう人が多いから“温かみのあるカラフルなデザインで生活を明るくする”という考え方から生まれたものが多くて、そこに惹かれる傾向があります。バスローブも、白以外のカラーバリエーションがあるのは珍しいし、お風呂場にかけておくだけでインテリアがグッと華やかになるところも気に入っています。
Simone Rocha フラワードレス



F:続いては「シモーン?ロシャ(Simone Rocha)」のドレス。3年前のベストバイでも、シモーンのアイテムはベストバイ入りしていましたね。
あさぎーにょ:はい、今年も買っちゃいました。これは胸元にカーネーションが敷き詰められているデザインが可愛すぎて......。今年、モルディブ旅行に行ったときに海で着たお気に入りのドレスです。シモーンのアイテムは毎シーズン欠かさずチェックしていて、毎年何かしら買っているので、徐々にコレクションが増えてきました。いつか現地でコレクションを見たいブランドの一つです。
F:今年は海外のファッションウィークにも参加されたんですか?
あさぎーにょ:今年はスケジュール的に行けなかったんです。過去にパリ、ロンドン、コペンハーゲンに行ってきて、同じファッションウィークでも土地ごとに雰囲気が違うのが楽しくて、中でもシモーンが参加しているロンドンの雰囲気が個人的に好きだったので、また行きたいと思っています。
F:ロンドンはどんな雰囲気だったのでしょうか?
あさぎーにょ:ロンドンは、パリが持つ伝統的かつクラシカルな雰囲気とは違って、カジュアルで自由度が高いのが印象的でした。コペンハーゲンはさらにカジュアルで、“ファッショニスタ”と呼ばれるような人たちだけじゃなく、町中の人たちが気軽におしゃれをして参加できる雰囲気で、街ゆく人のファッションを見るのが楽しかったり。都市ごとにお祭りの楽しみ方が違うように、街の人々が純粋にファッションを楽しむ様子を肌で感じて、ワクワクしたのを覚えています。

un by Tomoyo Yoshida?リング

F:続いては「アン バイ トモヨ ヨシダ(un by tomoyo yoshida)」のリング。今日もたくさん着けていらっしゃいますね。

あさぎーにょ:人差し指の雫のようなリングをきっかけに、このブランドのリングを集め始めて、気づいたらこんなに増えていました。スタメンですね。
F:ジュエリーはシルバー派ですか?
あさぎーにょ:シルバーとゴールドをどちらも着けたい欲があって、ミックスしても良いバランスになるものを選ぶようにしています。シルバーを基調にしていても、部分的にゴールドが入っているデザインを選んだり。

F:重ね付けしてもハードに見えすぎない、絶妙なバランスですね。
あさぎーにょ:強く見えすぎず、柔らかさを感じるところが好きなんです。このリングたちは寝ているときも着けていて、もはや体の一部です(笑)。
八木沢俊樹「Phantom」木彫りの犬

F:続いてはアート作品。アーティストの八木沢俊樹さんによる木彫りの犬ですね。
あさぎーにょ:表参道の「シボネ(CIBONE)」の店頭で一目惚れして購入しました。いつか犬を飼いたいんですけど、まだタイミングじゃないとも思っていて。今は、この子が私のペットです(笑)。
F:八木沢さんは以前から知っていたんですか?
あさぎーにょ:この子をきっかけに知りました。これ、チェーンソーで彫っているって信じられますか? 見た目は可愛いワンちゃんなのに削り跡はダイナミックで荒々しくて、そのギャップがたまりません。店頭にはいろんな犬種がいたんですけど、その中でこの子に一目惚れしました。

F:普段はどこに置いているんですか?
あさぎーにょ:一目惚れしたものの、置く場所に迷っているところで......(笑)。ゆくゆくはオフィスに置くのもいいなと考え中です。
CHANEL 22 ハンドバッグ

F:続いては「シャネル(CHANEL)」のハンドバッグ「シャネル 22」の2025年春夏コレクションのものですね。チャームが可愛いです。
あさぎーにょ:これも一目惚れで購入したものです。昨年末にロンドンに行ったときに百貨店で見かけて一目惚れしたんですが、仕事中だったこともあってその場では買えなくて。諦めていたんですけど、日本の店舗で再会したんです。日本の入荷はすごく数が少ないと言われたので、「これは運命だ!」と思い切って購入しました。

F:お気に入りのポイントは?
あさぎーにょ:一つ一つデザインが違うチャームです。大好きなパールのチャームや、レザーもツヤのある重厚感で気に入っています。ヴィンテージのシャネルのバッグは持っていたんですが、新作を買うのは初めてだったので、特別な一品です。ロマンチックなデザインでとにかく可愛い、それに尽きます(笑)。
F:どんなときに使っていますか?
あさぎーにょ:パーティーのときに使っています。このバッグを使うために、自分でパーティーを開きたいくらいです(笑)。


SONY?VLOGCAM ZV-E10 II &?RX100

F:最後はVLOG用のカメラと、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)ですね。あさぎーにょさんにとっては必需品とも言えるアイテムだと思いますが。
あさぎーにょ:どちらも「ソニー(SONY)」のものを愛用しています。「VLOG CAM」はYouTubeの撮影用にずっと初代の「ZV-E10」を使っていたんですけど、壊れてしまったのを機に2代目に買い替えました。

F:ZV-E10シリーズを愛用している理由は?
あさぎーにょ:レンズを交換できるところが一番の魅力です。私は広角でおもちゃっぽく撮るのが好きで、スマホでも広角で撮ることが多いんですけど、VLOG用のカメラでレンズを変えられるモデルって少なくて。いつも基本的に広角レンズ(10-18mm)に変えて使っています。新しいバージョンになったことで、手ブレ補正やバッテリーの持ちがパワーアップして、より使いやすくなりました。

F:コンデジ「RX100」はどんなときに使っていますか?
あさぎーにょ:スマホとは違う質感で撮りたいときに使っています。被写体に対して背景がボケすぎず、リアルな空気感で撮れるところが気に入っていますね。最近だと、ハロウィンで布を被った仮装をした投稿や、モルディブ旅行の投稿もこのカメラで撮った写真です。
F:カメラ選びの基準は?
あさぎーにょ:RX100は、よくチェックしている韓国のインフルエンサーさんがいて、いつも素敵な写真を載せているので、その方の投稿に写り込んでいるカメラを特定して購入したものです(笑)。そこまで詳しいわけではないので、インスタグラムを参考にすることが多いですね。
F:最近はスマホとは別でコンデジを持ち歩く人が増えていますよね。
あさぎーにょ:インフルエンサーとして活動する人が増えて、SNSで自分のことを発信するのが特別なことではなくなってきているのが理由だと思います。インスタグラムをやっている人はみんな「インスタグラマー」だし、影響力のあるなしにかかわらず、記録を残していくプラットフォームがあるのは素晴らしいことなので、カメラのようなツールを通して発信する人がもっともっと増えたらいいなと思います。
今年を振り返って
F:改めて、今年のお買い物を振り返っていかがでしたか?
あさぎーにょ:改めて購入品を集めてみると、例年よりも数が少なかったです。まとまったお休みが少なかったこともあって、お休みの日にふらっと買い物に行く機会が減った分、偶然見かけたものに一目惚れして衝動的に買うことが多かったかもしれません。オンラインで買い物することも多かったので、スマホの画面越しでも目に飛び込んでくるような、インパクトが強いものに惹かれる傾向があったなと思います。

F:買い物をするときは直感派ですか?
あさぎーにょ:もちろん直感は大事にしていますが、最終的に購入を後押ししてくれるのは、ブランドのストーリーやバックグラウンドです。デザインが気に入ったものは必ずお店のスタッフさんに「これってどんなブランドですか?」と聞くようにしています。
F:生産背景に共感することで、アイテムへの愛着が変わってきますよね。
あさぎーにょ:今年のベストバイの中だと、ユリア?ホイヤーや、八木沢さんの作品がそういう出会い方でした。ストーリーを知ることができるのがオフラインのショップの良さだと思うので、忙しいからと言ってオンラインばかりに頼るのではなく、時にはお店で買い物をすることも大事だなと改めて感じさせられましたね。
F:今年はあまり買い物に行けなかったとのことですが、今年買えなかったブランドやアイテムの中で、今狙っているものは?
あさぎーにょ:パリの「ゾマー(Zomer)」というブランドが気になっています。昨年末にパリに行ったときに見つけて、最強に遊び心のある世界観でファンになったんです。2026年春夏コレクションでは、ランウェイ上に大きなカラーパレットを置いて、モデルが次々とパレットに足を入れて、ランウェイに足跡を付けて歩く演出があったり、ショーの最後に挨拶に出てくるデザイナーが毎回偽物で、関係のないおばあちゃんや子どもが出てきたり(笑)。すごく無邪気で自由なブランドなんですよ。毎回、斬新なアイデアを見るたびに「やられた!最高!」という気持ちになります。まだ買えていないんですけど、最近、日本国内でも取り扱いが始まったみたいなので、来年こそは手に入れたいと思っています。
F:来年はワードローブに仲間入りするかもしれませんね。あさぎーにょさんといえば、繊研新聞が服飾学生を対象に行っているアンケート「フォローしているインフルエンサー」のランキングで毎年1位に輝くなど、ファッション好きの若者にとってのロールモデルとしても絶大な人気を誇ります。こうした結果について、ご自身ではどう感じていますか?
あさぎーにょ:これからの未来を作っていく人たちが私の発信に共鳴してくれているということが、まず嬉しいです。私自身、「こう見られたい」という原動力でファッションを好きになったわけではなく、今でもずっと、自分の好きなものや表現したいものを探し続けている最中なので、これからも同じ思いを共有できる仲間が沢山いるような感覚です。
F:支持を受けて、ご自身の発信方法に変化はあったのでしょうか。
あさぎーにょ:「もっとありのままの自分を出していこう」という気持ちが強くなりましたね。みんなが私を見てくれている理由って、ただ綺麗で完璧なものを求めているというよりは、迷いや悩み、うまくいかないことも含めて、リアルな私の成長に共感してくれているからだと思うんです。ファッションって、着飾るものだからこそ「完璧で綺麗な状態を見てほしい」という思いに寄ってしまうこともありますが、外見だけではなく、自分の中でうまくいかないことも、色々な形で出していこうと心がけています。

F:最後に、来年の展望をお聞かせください。
あさぎーにょ:今年は、新しいことに挑戦したくても、なかなか思うように前に進まなかったり、壁にぶつかることが多い1年でした。でも、その分たくさん挑戦できた年でもあったので、来年はこれまでの経験を糧に「もっと誰かの役に立ちたい」という思いが強くなっています。来年でこの活動を始めて10年になるので、自分の発信力や世界観を武器に、ファッションとは関係のない分野の課題にも目を向けていきたいと考えています。私は一貫して「ワクワクを抱きしめよう」というメッセージを発信していて、それが活動の本質です。そのメッセージを持って、誰もがワクワクを抱きしめられる温かい世界を作っていきたいです。

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