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GDPは4.3%成長も売り場の主役は「値頃感」 アメリカ経済の現実を映し出すウォルマート

GDPは4.3%成長でも、売り場の主役は「高級」ではなく「値頃感」。富裕層まで集まるウォルマートの売り場が、数字と体感が乖離するアメリカ経済の現実を映し出している。

GDPは4.3%成長でも、売り場の主役は「高級」ではなく「値頃感」。富裕層まで集まるウォルマートの売り場が、数字と体感が乖離するアメリカ経済の現実を映し出している。

GDPは4.3%成長でも、売り場の主役は「高級」ではなく「値頃感」。富裕層まで集まるウォルマートの売り場が、数字と体感が乖離するアメリカ経済の現実を映し出している。

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ
実質GDP4.3%成長でも消えない生活苦 数字と体感が乖離するアメリカ経済の現実

米国経済は表面的には絶好調である。

米商務省が発表した7~9月期の実質GDPは、季節調整済み年率換算で前期比4.3%増となり、前期の3.8%増からさらに加速した。

市場予想の3.2%増を大きく上回る結果であり、米国経済の底力を印象づける数字だ。株式市場や政策当局にとっては、これ以上ない好材料と言える。

しかし、この力強い成長率を聞いて「生活が楽になった」と感じる米国の消費者はほとんどいない。

GDPがこれほど伸びているにもかかわらず、生活実感はむしろ悪化している。ここに、現在のアメリカ経済を読み解く最大の矛盾がある。

インフレ率は鈍化、だが物価水準は高止まり

インフレ率そのものは確実に低下している。

11月のインフレ率は2.7%まで下がり、金融当局が目標とする2%に近づいてきた。だが、これは物価が下がったことを意味しない。

値上がりのスピードが緩んだだけで、生活コストそのものは高止まりしたままである。

GDPは伸び、インフレ率は下がる。この組み合わせは教科書的には理想的だ。

しかし、消費者が日々直面しているのは、過去数年間で引き上げられた家賃、食料品、光熱費という「戻らない価格」である。

統計が示す改善と、レジで支払う金額との間には、埋めがたい溝が横たわっている。

7割が経済を「悪い」と評価する現実

世論調査を見れば、その溝は一目瞭然だ。最新調査では、米国成人の約68%が現在の経済状況を「貧しい」と評価している。

GDPが4%を超える成長を遂げているにもかかわらず、この数字は高インフレ期とほぼ変わっていない。

消費者にとって重要なのは、GDPや株価指数ではない。

スーパーのレジで合計金額を見た瞬間の感覚、公共料金の請求書、クレジットカードの明細である。数字がどれほど好調でも、家計が締め付けられている限り、景気が良いとは感じられない。

食料品と生活必需費が直撃する家計

家計を最も圧迫しているのは、裁量で削れない支出である。

調査では、消費者の87%が食料品価格を「通常より高い」と感じている。電気代や季節イベント関連の出費についても、約3分の2が割高感を抱いている。

統計上、食料品価格の上昇率は1.9%に抑えられているが、体感はまったく異なる。

象徴的なのがコーヒーである。インスタントコーヒーの価格は前年比24%上昇し、1995年以来最大の伸びとなった。

日常の中の「当たり前」が、次々と贅沢品に変わっていく感覚が、消費者心理を冷やしている。

GDP成長を支えるのは富裕層という現実

GDP4.3%成長の内訳を冷静に見ると、誰がこの成長を支えているのかが見えてくる。

消費の主役は上位所得層であり、下位層は成長の恩恵をほとんど享受できていない。いわゆるK字型経済が、より鮮明になっている。

上位10%の富裕層が全体の消費の約半分を占める一方、下位80%は貯蓄を切り崩しながら生活を維持している。この構造はGDPを押し上げる一方で、多くの人々の生活実感を改善しない。

中間層ですら、支出に対する姿勢は変わった。年収10万ドル(約1,500万円)を超える世帯でも、1ドル(約150円)の価値を強く意識し、不要な出費を避ける傾向が広がっている。

大手小売に集中する「防衛型消費」

こうした状況の中で、消費行動は明確に変化している。価格と量のバランスを最優先する防衛型消費が広がり、購買は大手小売に集中している。

限られた予算で最大限の満足を得るための合理的な選択である。

これは景気が良いからではなく、景気に対する不安があるからこそ起きている動きだ。GDPが伸びても、消費者は「守り」に入っている。この矛盾こそが、現在の米国経済の本質である。

2026年への不透明な視界

将来に対する見方も厳しい。2026年に経済が良くなると考える消費者は2割に満たず、約4割はさらに悪化すると見ている。GDPがこれほど伸びている局面でさえ、楽観論が広がらないのは異例だ。

今後の焦点は、GDP成長を支えている富裕層の消費がいつまで続くかにある。もし彼らが支出を抑え始めれば、成長率は急速に鈍化する可能性が高い。

平熱の数字と極寒の体感温度

米国経済は、統計上は極めて健康に見える。GDPは4%超成長、インフレ率は低下、雇用も堅調だ。しかし、消費者の体感温度はまったく別世界にある。

マクロ経済の指標が体温計だとすれば、消費者の実感は体感温度である。

体温計が平熱を示していても、冷たい風が吹き続ける場所では人は震える。今のアメリカ経済は、GDP4.3%成長という平熱の数字の裏で、多くの人々が厚いコートを脱げずにいる状態なのである。

?こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です!

米国経済は7~9月期の実質GDPが年率4.3%増と、数字だけ見れば絶好調です。しかし現場の消費者心理はまったく別で、インフレ率が下がっても「物価水準」は高止まりしたまま。

だからこそ今、アメリカの小売業界では“手頃な価格”が低所得層だけでなく、富裕層にとっても重要な価値になっています。

その象徴がウォルマートやサムズクラブです。サムズクラブでは焼きたてクロワッサンの大型ボックスを5.98ドル(約750円)から4.98ドル(約630円)に値下げしただけで販売量が2倍になり、売れすぎて棚を撤去する事態にまでなりました。

これは単なるパンの話ではありません。GDPは伸びているのに生活実感が改善しない中、富裕層でさえ「値頃感のある小さな贅沢」に安心を求めているのです。

安さ一辺倒でも高級路線でもない、この中間地帯こそが今の勝負どころ。

言うなれば、米国では富裕層まで家計防衛モードに入り、ステータスシンボルが高級車からクロワッサンに変わりつつある…と思うと、ちょっとクスッときますね。

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