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Image by: Tu es mon Tresor

トゥ エ モン トレゾアのキュレーション企画第4弾 都会に暮らす女性の“聖域”「ベッドルーム」に着想

天才建築家アイリーン?グレイからインスパイア

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 佐原愛美による「トゥ エ モン トレゾア(Tu es mon Tresor)」が、期間限定の“セーフスペース”「1930- MCMXXX」をオープンした。これまで吉村順三の名建築などを舞台に、ファッションと居住空間の親和性を提示してきた同ブランドは今回、都会に暮らす女性の最もパーソナルな“聖域”である「ベッドルーム」に目を向けた。

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 トゥ エ モン トレゾアは「服を単一の要素としてではなく、美しい暮らしの風景の一部として想像する」という佐原の考えから、キュラトリアル?プロジェクトを実施。建築家の吉村順三が設計した「伊豆多賀の家」では「1977-」(静岡県?※2回実施)を、「八ヶ岳高原音楽堂」では「1988-」(長野県)をそれぞれ開催した。佐原はコレクションを製作する際、背景や空間、暮らしから女性像を想起していく。自然な流れで、建築や生活環境へと意識が向かうという。ファッションと建築、デザイン、写真などを横断するプロジェクトを行う理由について、佐原は、「単純に服だけを作っていても、発表する場が展示会場やランウェイだと、本当に服を着る生活と距離があるような気がしてしまったんです。トゥ エ モン トレゾアの提案では、素敵な居住空間やその匂いが感じられるような建築で、コレクションを“体感”していただきたいなと思いました」と説明する。また、これであえて都会を離れた場所で行っていたのは、美しい建築と自然の中でこそ引き立つ背景や空気感を届けたいという思いがあったという。

 2026年春夏コレクションの核となったのは、20世紀初頭に活躍した女性建築家 アイリーン?グレイ(Eileen Gray)がパリの自らのアパルトマンで愛用していたベッドと書棚が一つになった家具。グレイはル?コルビュジエが嫉妬したほどの天才として知られ、男性中心だった建築の世界で、住む人の感情や身体感覚を大切にした「親密な空間」を作り上げた。左右非対称の完璧な比率や、灰皿や読書灯といった細部に宿る「生活のドラマ」を設計するグレイのクリエイティビティと、デニムをミリ単位で調整し、暮らしの背景をデザインする佐原の理念が共鳴したという。

 テーマの「セーフスペース(安心できる場所)」という概念は、佐原自身の個人的な体験に根ざしている。かつて現実の喧騒や男性中心的な社会構造の中で、ファッションだけが唯一、自分の感性を優しく包み込み、女性であることを肯定し、癒やしてくれる心の拠点だったという。「ファッションに救われてきた」という原体験が、ブランドの目指す「着る人が自分を取り戻せる場所」という「セーフスペース」へと繋がっている。過去全てのキャンペーンヴィジュアルに女性写真家を起用してきた佐原が、女性建築家のグレイの仕事に惹かれるのは自然な流れだった。そして、ベッドルームは誰の目も気にすることなく、社会的な役割から離れ、自分自身に立ち返ることができる場所だ。

 会場には、グレイが1930年頃にパリ?ボナパルト通り21番地の自らのアパルトマンのためにデザインした実際のベッドと書棚の家具作品を設置。ベッドに備え付けられた本を読むためのライト、グラスや灰皿を置くための小さなサイドテーブルといった、外の世界から切り離され、自分だけの時間に浸るための細やかな工夫が詰め込まれている。モダンな建築資材を思わせる、ほのかに青みがかったグレーのトーンに統一し、ベッドルームとコレクションを展示するラックが対となるように配置した。

 ユートピア的な郊外での発表から都会へと場所を移動した心境は、ラインナップとも呼応している。2009年にデニムから出発したブランドは2020年のリブランディングで再びストイックにデニムブランドへと回帰。元より「ミリ単位で、地道にシルエットや素材を研究するように追求するのが好き」だという佐原の細やかなデザインで、柔らかく体になじみ、シンプルでありながら美しいシルエットのデニムブランドのイメージを形成することができた。次のフェーズとして、「都会で暮らす女性たちのワードローブに本当に必要なものは何かを考えるようになりました」と、2025年秋冬シーズンから再びデニム以外のラインナップを拡充している。

 新作では、グレイの建築とリンクする淡いカラーパレットのシャツやカットソーなどを用意。肌触りがいいコットン素材のポロシャツはデニムの硬質さとコントラストを生む透け感を取り入れ、肌に張り付きにくいワッシャー加工を施したオーガンジーシャツはウエストに緩やかにシェイプを効かせ、センシュアルになりすぎない女性らしさを追求した。佐原は「グレイのものづくりにはデザインの喜びや美しいものへの執着を感じるところが多いのですが、前シーズンでデニム以外にも目を向けた時に、素材のバリエーションや全体のバランスをどう整えようか、没頭する時間は厳しくもあり、どこか心地良くもありました」と振り返る。「デニムの基盤は変わらず続けながら、全体像として提案できること、寄り添えることの幅が広がり、やりがいを感じています」とブランド像の再定義への意気込みを語った。

最終更新日:

FASHIONSNAP 編集記者

平原麻菜実

Manami Hirahara

埼玉県出身。横浜国立大学教育人間科学部人間文化課程卒業後、レコオーランドに入社。国内若手ブランド、国内メーカー、百貨店などの担当を経て、2020年にビューティチームの立ち上げに携わる。ポッドキャストやシューティング、海外コスメレビュー、フレグランス、トップ取材など幅広い観点でファッションとビューティの親和性を探る企画を進行。2025年9月より再びファッションチームに所属。映画、お笑い、ドラマ、K-POP......エンタメ中毒で万年寝不足気味。ラジオはANN派。

■Tu es mon Tresor「1930- MCMXXX」
会期:2026年2月7日(土)~4月26日(日)
所在地:東京都港区南青山6-3-7 2階
営業時間:11:00?19:00
定休日:不定休

■トゥ エ モン トレゾア:公式サイト

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