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ウォルマート元トップがクローガーCEOに就任 最先端AI×現場主義の「二刀流」で逆襲へ

ウォルマート米国事業の元トップが新CEOに就任したクローガー。巨大自動倉庫から方針を転換し、こうした「実店舗」を拠点とするハイブリッド型戦略でEC売上高20%増の躍進を遂げている。

ウォルマート米国事業の元トップが新CEOに就任したクローガー。巨大自動倉庫から方針を転換し、こうした「実店舗」を拠点とするハイブリッド型戦略でEC売上高20%増の躍進を遂げている。

ウォルマート米国事業の元トップが新CEOに就任したクローガー。巨大自動倉庫から方針を転換し、こうした「実店舗」を拠点とするハイブリッド型戦略でEC売上高20%増の躍進を遂げている。

在米28年のアメリカン流通コンサルタント
激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ

ウォルマートの元トップが率いるクローガーの新たな船出

アメリカ食品スーパー最大手のクローガーは、2026年1月31日に終了した2025年度第4四半期決算を発表した。

今回から新たに最高経営責任者(CEO)として指揮を執るのは、かつてウォルマートの米国事業トップを務めたグレッグ?フォラン(Greg Foran)である。

現場第一主義で知られる同氏の就任は、アメリカ小売業関係者の間で大きな注目を集めている。

第4四半期の総売上高は前年同期比1.2%増の347億3000万ドル(約5兆2095億円)となった。事前の市場予想である350億ドル(約5兆2500億円)にはわずかに届かなかったものの、調整後1株当たり利益は1.28ドルと予想の1.20ドルを上回った。

ガソリン販売を除いた既存店売上高は前年同期比2.4%増と堅調に推移している。

市場では一時的に売上未達を嫌気して時間外取引で株価が下落する場面もあったが、強固な利益体質や積極的な自社株買いが評価され、最終的には上昇に転じている。

フォラン新CEOは「クローガーにはすでに素晴らしい基盤がある。我々が目指すのは、他の誰かになることではなく、最高のクローガーになることだ」と語り、実店舗の徹底した磨き上げによる成長を宣言した

驚異的な伸びを示すEC事業とハイブリッド戦略への転換

今回の決算で特に目を引くのがデジタル部門の躍進である。

第4四半期のEC売上高は前年同期比20%増を記録し、7四半期連続での2桁成長を達成した

通期のEC売上高は160億ドル(約2兆4000億円)を突破している。この成長を支えているのが、店舗を拠点としたハイブリッド型のフルフィルメントモデルへの転換だ。

クローガーはこれまで巨大な自動化物流センターの構築に多額の投資を行ってきたが、直近の決算ではこの自動化ネットワークに関連して25億ドル(約3750億円)の減損処理を計上している。

今後は方針を転換し、顧客に近い実店舗をピッキング拠点として最大限に活用する戦略へと舵を切った。

自社リソースに固執するのではなく、インスタカートやドアダッシュ、ウーバーイーツといった提携プラットフォームを活用することで、ラストマイル配送のコストを劇的に削減している

このコンビニエンス向け配送サービスだけでも、2026年には15億ドル(約2250億円)の売上を見込んでいる。このハイブリッドモデルの推進により、2026年前半にはEC事業の黒字化を達成する見通しだ。

エージェンティックAIが変える顧客の買い物体験

今後のクローガーの成長エンジンとして見逃せないのが、人工知能への莫大な投資である。

同社はデータ分析子会社である84.51度(84.51°)の社長を務めるミリン?マハデヴァン(Milen Mahadevan)を、新設された最高データ?AI責任者に任命した。

グーグルなどの先進企業とも提携し、AIの全社的な実装を急ピッチで進めている。

なかでも注目されるのが「エージェンティックAIショッピング(Agentic AI shopping)」の導入だ。

これは単なるチャットボットではなく、顧客に代わって自律的に行動するAIである。顧客の予算や好みに合わせて商品の発見から献立の作成、買い物かごの構築までをパーソナライズされた形で完全にサポートする

すでに一部の地域でデジタル?ショッピング?アシスタントとしてのテスト稼働が始まっており、年内には全社規模での展開が予定されている。

AIの恩恵は顧客体験にとどまらない。ダイナミックプライシング(価格変動制)による競争力のある価格設定や、在庫管理の最適化を通じた万引きなどの商品ロス削減にもAIが活用されており、すでに粗利益率の改善という形で具体的な成果を生み出している。

また、デジタル広告を扱うリテールメディア事業もECの成長と連動して拡大しており、2025年には15億ドル(約2250億円)の営業利益を稼ぎ出す巨大な収益源へと成長した。

現場主義の徹底と価格投資によるシェア奪還

ウォルマートで培った手腕を持つフォランCEOは、小売業の基本である「価格、商品、体験」の重要性を誰よりも理解している。

今後の戦略として、サプライチェーンの見直しや中間業者を挟まない直接調達の拡大によって無駄なコストを徹底的に削減し、それを原資として毎日の低価格やプロモーションに再投資するサイクルを構築していく。

「自動化やAIといった最新テクノロジーを追求する一方で、店舗での新鮮な青果の提供や従業員の接客態度といった基本動作を決して疎かにしてはならない」というのが新体制の明確なメッセージである

ECと実店舗を高度なAIで融合させながら、徹底的な現場主義で利益を削り出す。新生クローガーの泥臭くも最先端を行く戦いぶりから、今後のアメリカ小売業のトレンドから目が離せない。

?こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です!

クローガーの最新動向、いかがでしたか?ウォルマートの米国事業元トップであるフォラン新CEOの下で、クローガーは力強い一歩を踏み出しましたね。

第4四半期のEC売上高は20%増と絶好調で、実店舗と外部の配送サービスを高度に組み合わせた「ハイブリッド型」への転換が見事に当たっています。

さらに、顧客の代わりに自律的に買い物をサポートしてくれる「エージェンティックAI」の全社的な導入など、テクノロジーへの投資も急加速しています。

これは例えるなら「伝統的な老舗料亭が、最新のAIシステムを導入して効率化を極めつつも、板前の腕や女将の心づくしの接客といった『現場第一主義』はさらに磨き上げている」ような状態です。

最先端のデジタル技術と泥臭い現場主義の二刀流で徹底的に無駄を省き、低価格という形でお客様に還元していく戦略ですね。

私もこの優秀なAIに「私に一番ぴったりな買い物プランを立てて」と丸投げしてみたいところですが……「後藤さんは『激しくウォルマート』なブログの筆者ですから、クローガーではなく迷わずウォルマートに行ってください」と、ライバル店に追放されそうで今からハラハラしています!

最終更新日:

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