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【バックステージ】 「AKIKOAOKI」26SSコレクションのヘアメイクをレポート

Image by: FASHIONSNAP

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【バックステージ】 「AKIKOAOKI」26SSコレクションのヘアメイクをレポート

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 ファッションとメイクの切っても切れない密接な関係。そんな結びつきの強さがわかるファッションショーのバックステージをレポート。今回は、東京で開催された「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」2026年春夏コレクションの、メイクを手掛けた「M·A·C(メイクアップ アート コスメティックス)」シニアアーティストの池田ハリス留美子氏と、ヘアを担当した「トニーアンドガイ(TONI&GUY)」の雑賀英敏氏にインタビュー。今回のヘアメイクの特徴や、私たちが“真似”できるポイント、そして秋冬のトレンドについて聞きました。

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アキコアオキ 2026春夏コレクション

 今シーズンのテーマは、「ユニフォーム」をブランドの一つの軸に据えてきたアキコアオキにとっての「カジュアル化」。フォーマルとカジュアル、ドレスアップとドレスダウンという、一見対極にある2つの要素の間のグラデーションを表現した。クラシカルなテーラードやスーチングスタイルを軸に、ランジェリーやナイトドレス、ガーターベルトといった“女性が親密なムードで部屋の中で着るもの”と、スウェットやポロシャツなどの“カジュアルウェア”を多様な形で融合させたアイテムやルックを展開。

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AKIKOAOKI

2026 SPRING SUMMERファッションショー

メイク:M·A·C 池田ハリス留美子氏

■池田ハリス留美子
1998年にキャリアをスタートし、化粧品メーカーでの経験を経て2002年にM·A·Cに入社。表参道ヒルズ店で店長を務めた後、2007年に渡米しメイクアップアーティストKABUKIに師事。2009年からはNYのM·A·C PRO SHOW ROOMで活動。2014年に日本のM·A·Cシニアアーティストに就任。NY、パリ、ミラノなど世界のファッションシーンで活動し、個々の魅力を引き出すメイクを追求している。

?? まず、今回のメイクのテーマを教えてください。

 テーマは「スーパーナチュラルなマネキンスキン」です。ファッション、メイク、ヘアのいずれにおいても、今はとにかく“リアル”なものがトレンド。デザイナーの青木(明子)さんからも、“リアルさ”というリクエストがありました。ただリアルであるだけでなく、そこからどのように表現していくかが大切です。今回は、スーパーナチュラルとマネキンという言葉を組み合わせています。

???スーパーナチュラルなマネキンスキンとは、どういうものでしょうか?

 マネキンのように、ただ血の気がない状態を指すものではありません。きちんと血色感を感じさせ、自然なツヤのある肌でありながら、隙のない整った肌であることがポイントです。

「スーパーナチュラルなマネキンスキン」の作り方

??ベースメイクはどのように作られているのでしょうか?

 赤みやくすみを抑えること、そして肌への密着度が重要です。いかに薄膜で、いかにリアルで、元々そうであったかのように見せるか。ノイズをきちんと抑えることで、その人本来の美しさを引き立たせることができます。

???使用したアイテムを教えてください。

 ノイズを消すだけでなく、肌本来のツヤ感とみずみずしさをプラスするために、「スキンフィニッシュ ライトストラック リキッド ハイライター」の「ライトスカペード」を使用しました。肌色や肌質を問わず自然となじみ、内側から湧き出るのような濡れたツヤをもたらしてくれます。うるおい感がありながらも、ヨレにくい点がポイントです。

右から:「スキンフィニッシュ ライトストラック リキッド ハイライター ライトスカペード」、「リップガラス ブロウ」、「パウダー キス リキッド リップカラー 953 バフィスト」、「リップガラス エアー フローズン」

?? 塗り方のポイントはありますか?

 ノールールなので、自由に取り入れてほしいですね。スキンケアとして仕込んでもいいですし、日やけ止めの前後でもいい。メイクの途中に差し込んでも、終わってからでも、化粧直しにも使えます。乾燥やくすみが気になるところはもちろん、ボディにも使用可能です。ヨレにくい肌への密着感を活かし、自由に使ってほしいです。

???とはいえ、自由にと言われると難しいところがあります。日常のメイクに取り入れる上で、コツがあれば教えてください。

 ファンデーションの前に、目元の周りに広めに塗る「ゴーグルづけ」がおすすめです。骨格を強調したい部分であり、くすみも気になる部分なので、そこをしっかり整えておくと、頑張っている感のない、自然な立体感を出すことができます。

リアルな質感を生むリップメイク

?? 目元や口元など、ポイントメイクも教えてください。

 今回は唇にもこだわりました。唇を自然にプランプさせるため、まずリップベースとして「リップガラス ブロウ」と「リップガラス エアー」の「フローズン」を使いました。これらを使うと唇がふっくらと見え、縦ジワが目立ちにくくなるので、つるんとした立体感のある口元に仕上がります。

 その上に「パウダー キス リキッド リップカラー」の「953 バフィスト」を重ねました。スフレのようにふわっとした質感で、指でくるくるとなじませると、表面がなめらかになり自然と肌に溶け込んでいきます。リアルさの中にも、少しアップデートされた今っぽい質感が表現できます。また今回はモデル一人ひとりが異なる個性を持っていたので、マットに仕上げたモデルと、さらにツヤを足したモデルを揃え、それぞれの魅力を引き立てることを意識しました。

?? 最後に、今年の秋冬のメイクのトレンドを教えてください。

 先ほどお話ししたマネキンスキンもそうですが、もう一つは「グレイシャル」なツヤ感。グレイシャルとは「氷河」を意味し、クールトーンの輝きを表現するものです。また、血色感についてもこれまでは春夏からインスパイアされたヘルシーなトーンが多かったですが、今は少し寒いところにいて頬が色づいたような“低温度な血色感”が新しいなと思います。

ヘア:TONI&GUY 雑賀英敏氏

■雑賀英敏
1996年に渡英し、TONI&GUYへ入社。その後インターナショナルアーティスティックチームの一員としてさまざまなブランドのコレクションショーに携わる。2010年に帰国し、現在はTONI&GUY JAPAN代表を務めながらショーやルック撮影に参加し、ヘアデザインを手掛ける。アジア諸国を中心にセミナーも行い、ロンドンとの懸け橋として活動中。

??今回のヘアのテーマを教えてください。

 今回のコレクションから、僕が受け取ったヘアのテーマは「上質なナチュラル」です。その人が持つナチュラルさをどこまで引き出せるか、ということでした。

?? 「上質なナチュラル」とは、具体的にどのようなスタイルでしょうか?

 作り込みすぎず、“寝起きでかきあげたぐらい”のイメージです。やりすぎてもダメだし、やらなすぎてもダメ。カールやクセ毛など本人の髪を活かしつつ、少し上品に見せる。それでいて、自然に髪が動くぐらいのテクスチャーを目指しました。

頑張りすぎない“上質なナチュラル”

?? どのようにスタイリングを組み立てましたか?

 ヘアスタイルを4つのグループに分けました。1つはクリーンでツヤのあるストレート。もう1つは少し動きがあるスタイル。次に、元々カールが強いクセのある髪質のグループ。最後はヘッドアクセサリーをつけるグループです。

?? モデルによって、かなり異なる仕上がりに感じました。

 はい。一人ひとりインディビジュアル(個性的)でありながら、グルーピングもするというのが、デビュー当時からの青木さんの傾向かなと感じています。

?? 青木さんからリクエストはありましたか?

 スタイルの提案は僕から行いますが、どのモデルにどのスタイルを、というのは青木さんが指定しています。 基本的なスタイルは事前に決定していて、当日の朝に「この子どうしようか迷っている」といった相談や、前髪の細かい角度の調整など、青木さんと一緒にディテールを詰めています。

?? スタイリングに使用したアイテムを教えてください。

 スタイルに関係なく、全員に使ったのは「レーベルエム(LABEL.M)」のワックススプレーです。スプレーを振ってコームをかけると、パヤパヤした浮き毛を抑えられ、少し上品なイメージにすることができます。他にもそれぞれの髪質に合わせて、オイルやクリーム、ワックスを使い分けています。

?? 日常でナチュラルなスタイリングを再現するコツはありますか?

 髪が乾ききってパサっとしているところに、少し水分やオイルを持たせてから自然乾燥させると、より良いナチュラル感が出ます。熱を使うと髪が広がってしまうので。また、全体を巻くのではなく、必要なところだけ部分的に巻くのもポイントです。

??最後に、今年の秋冬のヘアのトレンドを教えてください。

 どんなスタイルでも「頑張りすぎない」ということですね。決めすぎていないスタイリング。毎年「ナチュラル」という言葉は出てきますが、その中身は常に変化しています。僕もショーの現場で、洋服やモデルと触れ合いながら、最新のナチュラルを感じ取るようにしています。

(編集:上玉利茉佑)

最終更新日:

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