Image by: Nobuyuki Hayashi
現地時間9月9日に開催されたAppleの新製品発表会「Awe Dropping」では、新製品のiPhone Airに加えて、Apple Watchシリーズから「Apple Watch series 11」「Apple Watch SE 3」「Apple Watch Ultra 3」というラインナップも発表された。これに合わせて、「エルメス（HERM?S）」とコラボレーションしたコレクションにもseries 11をベースにしたものと、Ultra 3をベースにした新作に切り替わった。ライターの林信行が現地からレポート。
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アップル＋エルメスコラボ10周年を祝った特別モデルが登場
毎年大きな注目を集めるコレクション、まずはseries 11をベースにした「Apple?Watch Hermès?Series?11」から見てみよう。
（左から）「Bleu Nuit Faubourg Party」（2サイズ）、「Grand H Fin」（2サイズ）
Image by: Nobuyuki Hayashi
実は今年は、アップルとエルメスのコラボレーションが始まってちょうど10周年。同コレクションは毎年、アップルのデザイナーやエンジニア、そしてエルメスの職人らがコラボレーションをして開発をしているが、今回は両社の関係の10周年を祝して、そこに芸術的な輝きを加えるべく「Bleu?Nuit Faubourg?Party」というストラップを開発した。
両者によるコラボレーション関係を終わることのないパーティーに例えたネーミングのストラップで、アーティストのティボール?カールパーティ（Tibor Kárpáti）による歴史あるエルメス フォーブル?サントノレ（Faubourg Saint-Honoré）店をモチーフにしたイラストを、耐久性のあるジャカードニットのストラップにしたものだ。同コレクションに用意された専用の文字盤には昼夜を問わず楽しめる24種類のドット絵のウォッチフェイスアニメーションが用意されている。
Bleu Nuit Faubourg Party
Image by: Apple
42mm（19万9800円?）と46mm（20万7800円?）の2つのサイズを展開
新作ストラップはもう1つある。「グラン?アッシュ?ファン（Grand H Fin）」だ。昨年、Apple Watch Hermèsとしては初のフルメタルストラップとして「グランアッシュ（Grand H）」が登場した。この大好評だったストラップのデザインの選択肢を広めるために追加されたのが、グラン アッシュをよりスリムに、そして洗練された形で再解釈した「グラン?アッシュ?ファン」である。
従来のグランアッシュの半分ほどの幅の細身のストラップで、よりエレガントな見た目になっている。当然、ストラップの両端にアイコニックな「H」のモチーフがあしらわれているのはそのままだ。
Grand H Fin
Image by: Apple
42mmケース専用モデル（32万4800円）
新色を加えて再展開する定番ストラップ
あらゆる冒険に対応、柔らかく防水性のあるラバー素材でスポーティーさに、ほんのり洗練をプラスした人気のストラップ「キリム（Kilim）」 シンプルトゥールも昨年から継承。定番の黒（Noir）とシグネチャーカラーのオレンジ（Orange）はそのままに、淡い青のブルー?パステル、赤みがかかった土色のボルドー、そして白といった新色が加わった。昨年は42mmケースか46mmケースかで色の選択肢が変わったが、今回は両方とも上記の5色展開になっている。
黒
Image by: Apple
価格は42mmケースが19万9800円、46mmケースが20万7800円
42mmケースのみのテキスタイル系ストラップ「ツイルジャンプアトラージュ」シンプルトゥールも、「ネイビー/黒」のコンビネーションと、グレーと赤系の色を組み合わせた「グリ?メイヤー/ルージュ?グルナ」の2つの新色で継続された。
ネイビー/黒
Image by: Apple
いずれも価格は19万9800円
これらの製品のベースとなっているApple Watch series 11は、これまでよりも本体を薄くしつつバッテリー動作時間が最大24時間と前モデルと比べ6時間近くも伸び、わずか15分の充電で8時間動作するようになったため、寝る前に充電し新たに追加された日々の睡眠の質を記録する睡眠スコア機能もつけやすい。アルミモデルとチタニウムモデルの2種類があるが、Apple?Watch Hermèsでは、これまで通り、チタニウムモデルを採用——より頑丈な本体や高い耐擦傷性能と耐亀裂性能を持つサファイア前面クリスタルを備えたディスプレイを備えている。
なお、日本での提供の予定はないが、米国では高血圧を検知すると知らせる機能も搭載されており、将来、認可が降りれば日本でも同じ機能が提供される可能性がある。
Ultra 3ではスキューバーダイビングを意識した新ストラップが登場
Apple Watch Hermès Ultra 3
Image by: Nobuyuki Hayashi
日常生活、スポーツ、そして冒険時と幅広いシーンを想定した究極のApple Watch Ultra 3をベースにしたApple Watch Hermès Ultra?3のラインナップの構成はシンプルで、昨年初のApple Watch Hermès Ultraのストラップとして採用されたアンメールはしっかり装着できるチタニウム製バックルを備えた。耐水性能を持つこのストラップは、あらゆる種類のウォータースポーツや冒険に適したストラップで、特徴的な立体ストライプと、さりげない「H」のモチーフが魅力だ。昨年は深い青色のブルー?ニュイ1色のみの展開だったが、今年はここにオレンジとグリ?チタン（深い緑色）が加わった。
ブルー?ニュイ
Image by: Apple
価格は22万5800円
また今年はApple Watch Hermès Ultra?3の新作ストラップとして本格的なウォーターアクティビティにも耐えられる高性能エラストマーで成形され、チタニウムのバックルが付いた軽量のストラップで、円形のスポーティなディテールが特徴となっている「スキュブHダイビング」が新たに加わった。白?グリ?チタン、黒という3色構成となっている。
白
Image by: Apple
価格は24万2800円
エルメス社のサイトでは天然皮革の新作ストラップが多数登場
以上が、アップル社も販売するApple Watch Hermèsの最新コレクションだが、昨年Apple Watch Hermèsを特集した記事でも触れた通り、これがすべてではない。
アップルは2023年、天然皮革の使用を取りやめることを発表する。エルメスなどの数量限定での販売が得意な会社ならいいが、アップルはこれまで全世界でオンライン直販や直営店、膨大な数の販売代理店を通して年間数千万台から数億台規模でiPhoneやApple Watchといった商品を販売する会社。そのスケールで天然皮革を取り扱いつづけると地球環境への影響が無視できなくなる、というのがその理由だ。
アップルは自社での皮革製品の取り扱いはやめるが、エルメス社が独自に革製のストラップを開発し販売することは認めている。シンプルな単色から動物のイラストをあしらった「アニモー?バンダナ」まで、さまざまな色、柄、模様のシンプルトゥールとドゥブルトゥール（二重巻き）の革製バンドが用意されている。
これまでの慣習に従えば、これらのモデルはあらかじめ決めた数量を完売するとWebページから消えてしまうので、新規で買い替えをしたい人や、今年こそApple Watch Hermèsを狙っている人は、早めにエルメスのオンラインショップをチェックすることをおすすめしたい。
新型Apple Watchは現在、予約受付中で、9月19日から出荷が始まる予定だ。
Nobuyuki Hayashi
1990年からデジタル分野の最先端や最新イノベーションを生み出したきた主要人物の取材を続けているジャーナリスト／コンサルタント。テクノロジーは必ずしも人を幸せにしないと考えを改めてからは、良い未来を生み出すデザインやAI時代を生きるヒントをくれるアート作品、22世紀まで残したい伝統なども数多く取材している。リボルバー社社外取締役。金沢美術工芸大学名誉客員教授。Nobi（ノビ）の愛称でも親しまれている。
最終更新日:
■Apple Watch Hermès：エルメス販売ページ
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