Image by: FASHIONSNAP
東京のストリートで、バンダナを巻いたスタイリングが増加している。NewJeansの「Supernatural」のミュージックビデオでもそのスタイリングが見られるほか、フェスでもコーディネートに取り入れる来場者の姿もあり、ファッションアイテムとして注目度が高まっている。
火付け役はA$AP Rocky
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バンダナとは、大きなハンカチやスカーフとして使用できる四角い布を指し、多様なデザインが展開されている。バンダナと聞くと、主にペイズリー柄のデザインが思い起こされるかもしれない。世代によっては三角巾として調理実習で使用したり、はたまた“オタクコーディネート”に取り入れるなど、さまざまなシーンで馴染みが深いアイテムだろう。
なぜ今、バンダナがファッションアイテムとして注目されているのか。吉祥寺のセレクトショップ「ジ?アパートメント(the Apartment)」のオーナー大橋高歩氏によると、ファッションシーンで取り入れられ始めたのは2017年ごろからだという。
現在のバンダナのスタイルの起点となったのはエイサップ?ロッキー(A$AP Rocky)。同氏は2018年頃からバブーシュカスタイルでイエローバンダナを巻いたスタイリングを披露し、「Babushka Boi」という楽曲も発表していた。その後、Y2Kや1990年代にダンサー達の間で流行ったバンダナのリバイバルの流れから、東京のストリートでも見られるようになったのではないかと大橋氏は分析する。
バンダナのトレンドは2010年代前半のフランク?オーシャン(Frank Ocean)の“はちまきスタイル”にも見られたが、当時はブルックリンの一部の新世代の間でインディゴ?チルドレンといったニューエイジ的な思想が流行っていたことが背景にあり、新しいカルチャーが生まれる熱気が大きかったのが特徴だが、「ニューヨークではよく見かけましたが東京では全く見かけなかった」(大橋氏)という点からも、いま現在の東京のストリートで生まれているトレンドは1990年代のリバイバルであることに間違いはないようだ。
ファッションの流行やトレンドは繰り返しやってくるもの。ただし、布の両端をあごの下で結んで「バブーシュカスタイル」は“令和”のバンダナトレンドならでは。特に昨年からは女性のバンダナ着用率がかなり高くなってきているという。ショールを頭にかぶり端を首に巻く「真知子巻き」と呼ばれるスタイリングが昨年からストリートで見られており、バンダナでも同様の取り入れ方が増えていると言えそうだ。
※真知子巻き:1953年公開の映画「君の名は」の主人公 真知子のスタイルから引用された。
「ファッションアイテムとしてのバンダナ」を楽しむ時代に
ジ?アパートメントでは以前からバンダナを取り扱っているが、「ここ数年は人気が再燃していて今年は特に売れている」といい、店頭での売れ行きからもトレンドの流れを感じているという。
何気なく目にしてきたバンダナだが、バンダナにはギャングが忠誠心を示すために使われた歴史がある。そのため、カラーや巻き方で意味合いが異なったり、メッセージが含まれることがあるという。大橋氏も「特にアメリカに行く際にはペイズリーのカラーバンダナは使わない」としている。
ただし、同氏はジ?アパートメントで「単純なファッションアイテムとしてのバンダナ」を楽しむことを呼びかけている。「いろいろな意味合いやメッセージを気にしてしまう人もいると思いますが、もっと自由に楽しんで好きな巻き方をしたり、部屋に飾ったりと、さまざまに楽しめる柄を中心にセレクトしているので、細かい事は気にせず好きな巻き方で楽しんで欲しいです」(同氏)。
同店ではメッセージがなく気軽につけられるものをセレクトするように心掛けているとし、中でもアウトドアテイストのバンダナは特に人気だという。「バンダナは単純に沢山集めても嵩張らないし、実用的なのが良いんですよね」と大橋氏。時を経て変化していく新しいバンダナのスタイルに今後も注目だ。
ジ?アパートメント
the Apartment
ニューヨークで買い付けたインポートアイテムや、ヴィンテージギアを現代的にミックスし、カルチャーと密接にリンクしたスタイルを提案する吉祥寺のセレクトショップ。オーナーは大橋高歩氏。
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