「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」2023-24年秋冬メンズコレクションのテーマは「ESSENZA」(イタリア語でエッセンスの意)。華美な装飾を排除したミニマルでクリーンなルックを、ウィメンズウェアの構造や巧みなカッティングで表現。新たなマスキュリニティを探求した。
絶対的な主役のブラック
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今シーズンを象徴するのはブラック。トーン?オン?トーンで組まれたルックは、シンプルであるがゆえに、個々のアイテムのデザインやシルエット、素材、テクスチャーを際立たせ、厳格さと統一感を醸し出す。光と影のコントラストを表現した会場演出に同調するように、絶対的な主役のブラックをベースに、グレーシェードやホワイトが時折差し込み、緩急をつけた。
フェミニンなシェイプで加速するマスキュリンなムード
ウエストを強調するコルセットやカマーバンド、サッシュベルトは1999-2000年秋冬コレクションの要素を取り入れたもの。特に異彩を放ったのは、服飾史においてフェミニニティの代名詞的アイテムでもあるコルセット使い。ジャケットの中やシャツ、タンクトップの上から重ねたり、ボトムスにタックインするユニークなスタイリングが目を引く。
素肌に着たジャケットはウエストがシェイプされ、ヒップのペプラム、パテッドされた肩などスリムで体にフィットする彫刻的なウィメンズジャケットの構造で仕立てられた。
そのほか、クロップド丈のジレやニット、カーディガンやスウェットの胸のカッティング、開き具合も女性らしさを感じさせるデザインに。チェストガードはコートのデザインにドッキングされたり、素肌にダイレクトに身に着けることでワンショルダー風のトップスとして登場。フェミニンとマスキュリンの相反する要素が融合し、センシュアルな雰囲気をまとった。
"本質"を追求する様々な素材使い
シンプルなモノトーンの中にも、レザーや、エコファー、オーガンザ、シルクサテン、メッシュ、ニット、ジャージーなど様々の素材使いと、ビジューやスパングル刺繍などの手仕事を意味する"fatto a mano(ファット ア マーノ)"の職人技が随所に光る。色を制限した中に多様な表現を盛り込み、ドルチェ&ガッバーナーの"本質"を浮かび上がらせた。
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