ジュン 佐々木進社長
Video by: FASHIONSNAP
ソフ清永代表が退任 “第3創業期”ジュンの行く先は
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―2022年の元日に、ジュン子会社のソフ(SOPH.)清永浩文代表が退任を発表しました。
彼はこれまで本当に一生懸命やってくれて、うちのグループになってから売り上げも倍ぐらいになりました。彼自身も、自分がいなくてもやっていける体制になったと確信したこと、あとは彼自身も業界の中でロールモデル的存在ですから“良い卒業”の仕方を後輩に見せたいという思いもあったみたいです。今も互いにリスペクトし合っている関係で、完全な円満退社です。
―佐々木社長はソフの会長を引き続き務めるとのことですが、経営の方針は変わるのでしょうか?
これまでと全く変えません。今までは彼のディレクション下というのも当然ありましたがチームでやってきたので、今後もブレずにやっていけるかなと。ソフという会社の未来を考えると、いい意味で次のステップにいくためのチャンスになるのかなとは感じています。
―2022年は清永氏の退任という衝撃から幕を明けましたが、どんな一年になりそうですか?
繭に閉じこもっていた蝶が羽ばたいていく、そんなフェーズになっていくと思います。
―「ウィズコロナ」「アフターコロナ」どちらを想定して事業に取り組まれていきますか?
両方ですね。片方というのはないと思います。ウィズコロナがベースにありながら、アフターコロナの新しい常識をみんなが求めていると思うので。
―コロナが収束せず、未だに見通しがつかない状況です。
不安定だから、という前提で行くと思考停止してしまうと思うので、今まで以上に“アガる”商品を積極的に打ち出していきたいですね。それも「売れそう」ではなくて「気分がアガるのか」という視点でものづくりをする。お客さまはコロナ禍でも今までにないもの、感動できるものを常に求めているはずですから、そういったサービスや商品を提供できれば絶対成長できます。
―つい数字にとらわれてしまいがちですが。
過去を見ても“新しい壁”はそこには存在しません。今まで業界で活躍してきた企業や人々はある意味、非常識と言われていたことを常識に変えたということだと思うんですよね。「色々なことに疑問を持って、新しい視点で考えていこう」と全社的に伝えていきたいですね。
―今年は挑戦的な一年になりそうですね。
「攻める年」と言い切ってます。社屋も新しくなりましたし、社内のモチベーションとしては違う会社になったような感覚があります。それも重なって「第3創業期」とみんなにも伝えていますから。
―新社屋ではサタデーズのカフェを導入しています。
実は外部の企業からも「ぜひ入れてくれ」という話がきていて。BtoBの可能性もサタデーズにはあるのかなと。
―BtoBに力を入れる企業が増えていますが、ジュンのtoBの事業規模は?
ほとんどないんです。どの分野でできることがあるのかまだ検討段階で。それよりも今は、お客さまにちゃんと感動を届けるということにフォーカスするのが先ですね。
―出店計画については?
リアル店はやっぱり重要。ただ、金太郎飴のように同じような店舗を出店し、店舗数が増えれば売上高が上がっていく、という成長シナリオはもう時代にそぐわないと感じます。ですので、数は大きく増えないとは思いますが、出店先を最適化するために移転したり、ローカライズなどオリジナリティのある店舗出店は今後検討していきたいですね。スタッフの個性を生かした個店のような取り組みもありだと思います。
―ECも収益の柱として欠かせないものになっています。
ECとリアルの双方を利用していただけるように整えていきます。いまEC比率は4割弱ほどあるのですが、モールの売り上げが高く、自社サイトに弱みがあります。
商売の仕方ってフロー型とストック型があると思っていて。不特定多数のお客さまを中心に据えた商売をフロー型、リピーターなど既存顧客中心の商売をストック型と考えているんですが、うちはフロー型の要素が他社と比較しても強いんですよ。そこにプラスしてストック的なビジネスを増やしていく。そのためには自社サイトを強くして顧客管理を徹底し、リアル店舗との相互利用してもらえるように環境を整えることが課題です。
―藤原ヒロシさんとの協業では、今年も新しい仕掛けを期待してもいいですか?
現段階ではまだわかりませんが、「なんかやりたいですね」という話はしていますよ。定期的にコミュニケーションはとっていますし、レストランでばったり会ったりも(笑)。その時にいろいろと話し合っているので、楽しみにしていてください。
―サステナブルな取り組みとビジネスの両立も重点課題だと思います。
僕はクリエイションとビジネスはトレードオフではないと思っているんですよね。サステナブルなことに取り組むことでコストが上がってビジネスを圧迫する、という考え方ではなく、それに取り組むことで新しい付加価値を新たに生み、ビジネスとして大きくしていくというマインドセットであるべきじゃないかなと思います。
―最後に、佐々木社長が求める人材は?
情熱があることが大前提ですね。あとはちょっと側面が違うんですけど、プロフェッショナルなミーハーがいいですね。プロ的にしっかり物事を捉えながらいろんな新しいことに興味を持って探求できる人。
僕は以前から「T字の人材」「Tの心持ち」というのをよく言っていて。Tの縦はプロフェッショナルとしてのスキル、横は政治や経済、文化など一般常識を意味しています。職人になりすぎてしまうと絶対ダメなんですよ。
(聞き手:伊藤真帆)
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