Image by: Ippei Saito
謎多きブランド「コッキ(KHOKI)」が、2月12日に、2023年3月ぶりとなるランウェイショーを開催した。今回FASHIONSNAPでは、2章に分けてコッキを取材。パリから東京まで、ショーの準備期間に密着し、そのクリエイションの真髄を探った。
密着 1月25日:パリ?ヴァンヴ蚤の市とコッキのクリエイションの関係性
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パリコレ(パリファッションウィーク)期間中の2025年1月25日、フランスはパリ左岸で開かれるヴァンヴ蚤の市の会場に「コッキ(KHOKI)」のブランドディレクター Kokiの姿はあった。名古屋のセレクトショップ「キンク(kink)」のオーナー安田茂と共に、毎シーズン足を運ぶという蚤の市には、コッキのクリエイションに通じるものがあるようだ。

「コッキ(KHOKI)」のブランドディレクター Koki
Image by: Hiroyuki Ozawa
パリ市内には主に3つの蚤の市(フリマ)がある。最大規模のクリニャンクール蚤の市(サン?トゥーアンの蚤の市)、日用品の多いモントルイユ蚤の市、そしてヴァンヴ蚤の市だ。「ピュス?ドゥ?ヴァンヴ(Porte de Vanves)」駅を降りたところにあるヴァンヴ蚤の市は3つの中では最も規模が小さいが、その分治安も良く、路上での宝探しにもってこいのフリマで、Kokiはパリで展示会をする際にはヴァンヴとクリニャンクールに訪れるという。実際に、蚤の市で撮影した写真をプリントしたアイテムを展開したりと、コッキのデザインに蚤の市での体験が反映されることもあった。

Image by: Hiroyuki Ozawa
「用途不明な、自分の頭の中にないものがここにはある」。Kokiにとって今回で4回目となったヴァンヴ蚤の市は、あいにくの雨で古着の出品は少なかったが、カトラリーや絵画、人形、オブジェ、カセットテープ、仮面、カメラ、アクセサリーなど多種多様なものが販売されていた。「欧州だけでなく、アフリカやアジアのカルチャーが入り混じるこの空間に、温かみを感じ落ち着く感覚を覚えます」。そういうと、Kokiは見知らずの家族の姿がおさめられたネガフィルムを手に取り、「なんかいいですよね、この写真」と目を輝かせる。

Image by: Hiroyuki Ozawa

Image by: Hiroyuki Ozawa

Image by: Hiroyuki Ozawa
蚤の市には実用性はないが、魅力的に映る品々が多い。トランプの絵柄が入ったサイコロは、出品者に聞くと、どうやら振って役を作り、ポーカーとして遊ぶものらしい。ポーカーをしないKokiだが、そのデザインの面白さから購入を決めた。

Image by: Hiroyuki Ozawa
コッキのクリエイションは、アメリカンキルトの素材使いやインドの手刺繍など、クラフト感や温かみが特徴であるのと同時に、チームのパタンナーによるフォルムの追求やアブストラクトな表現でアバンギャルドな一面も持っている。モードともカントリーともコンテンポラリーともカテゴライズできないコッキの服は、さながら「美しいカオス」を体現するパリの蚤の市に通じるものがあり、クラフトマンシップに基づく細部へのこだわりを集積させることで、差別化を図っている。

Image by: Hiroyuki Ozawa

Image by: Hiroyuki Ozawa
ブランドデベロップメント?エージェンシーSeiya Nakamura 2.24のパリショールームに出展したコッキは、セールスも好調だった。いくつもの海外バイヤーとの商談を経て、時差ボケもあるなかそれでも蚤の市に出向くのはクリエイションを研ぎ澄ませたいという欲求からだろう。
「蚤の市を訪れることは、言葉をみつける作業でもあります」。
パリ滞在期間中も、日本のチームとオンラインミーティングを重ね、ショーピースの制作を進めるなど、1月25日時点で、東京でのファッションショー(2月12日開催)の構想はまだまだ決め切れていなかった。2度目の開催に向けて、少しでもファッションショーの完成度を高めたいと、アイデア収集の側面もあったのかもしれない。
舞台はパリから東京へ
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