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【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.46 1930?50sカバーオール編

40?50sカバーオール

Image by: FASHIONSNAP

40?50sカバーオール

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【令和のマストバイヴィンテージ】今買っておくべき名品は? vol.46 1930?50sカバーオール編

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 歴史的背景を持つ、ヴィンテージ古着。人気が高く希少なアイテムの価値は高まり続け、一着に数千万円なんて価格が付くこともしばしば。「こうなってしまってはもう、ヴィンテージは一部のマニアやお金持ちしか楽しめないのか???」と諦める声も聞こえてきそうです。

 でも、そんなことはありません。実は、現時点で価格が高騰しきっておらず、ヴィンテージとしての楽しみも味わえる隠れた名品もまだまだ存在します。この企画では、そんなアイテムを十倍直昭自身が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に連載形式で紹介。第46回は1930?50sカバーオール編。

アメリカの発展を支えた労働者のためのワークウェア

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 ヴィンテージ古着の象徴と言えるジーンズが登場するきっかけとなったのが、1840?50年代にアメリカで巻き起こったゴールドラッシュです。当時金鉱で働く人々が必要としていた、過酷な労働環境に耐えられる丈夫な衣服として「リーバイス(Levi’s)」のデニムパンツが生まれました。

 今回紹介するカバーオールが生まれた時代については諸説あり、18世紀とも19世紀とも言われていますが、ジーンズと同じように労働者のためのワークウェアとして生まれたことは確かです。体の動きを妨げないゆったりとしたシルエットで、丈は汚れから身を守るために少し長め。仕事道具などを入れるために多数設けられたポケットも特徴で、「ガチャポケ」と呼ばれるデザインが左右非対称のポケットを備えた個体は、特に人気です。 

1930?50sカバーオール

どちらも「ガチャポケ」のカバーオール

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 今回ピックアップしたのは、1930?50年代のカバーオールです。1930年代のアメリカは大恐慌の影響で深刻な経済不況に見舞われ、その後の第二次世界大戦期(1940年代)に軍需生産の拡大により景気が回復。戦後(1950年代)は高い消費需要と住宅?インフラ整備の進展に支えられて好景気が続きました。この頃の代表的な産業としてまず挙げられるのが、自動車産業です。フォードやゼネラルモーターズ(GM)といった大手企業を中心に、戦時中の軍用車両生産から民間向けの大量生産へと移行しました。加えて、戦後のインフラ整備や自動車?造船?軍事需要など、幅広い用途で必要とされ、製造の中心を担った鉄鋼産業も、この頃のアメリカの重要な産業でした。このカバーオールを着用していたのは、当時そのような産業に従事していた労働者かもしれません。

 また、そこから更に時代は遡り、1870?80年代のアメリカで盛んだったのが、鉄道建設です。南北戦争が終結した1865年頃から次第に鉄道敷設のペースが上がり、大陸横断鉄道が完成した1869年以降、全国規模の鉄道網が拡大しました。1880年代はアメリカ史上最も急速に鉄道が伸びた時期のひとつといわれ、そのために無数の労働者たちが汗を流しました。インターネットで検索すると、当時線路の敷設を行っていた鉄道員たちがカバーオールを着用している画像が見つかると思います。とてもクールなので、是非一度調べてみてください。

ワークテイストが強いヴィンテージカバーオール、どうやって着る?

 こちらの個体は、通信販売や百貨店事業などを広く手掛けていたアメリカの小売大手 シアーズ(Sears, Roebuck and Co.)が展開していたプライベートブランド「ヘラクレス(HERCULES)」のアイテムです。台襟部分に、1940年代までに多く見られたチンストラップと呼ばれる持ち出しが設けられているので、1930?40年代に作られたことがわかります。ちなみに、ヴィンテージ業界ではチンストラップとチェンジボタンの両要素を備えたカバーオールのことを「チンチェン」と呼ぶことがあります。

1930?50sカバーオール
1930?50sカバーオール
1930?50sカバーオール
1930?50sカバーオール
1930?50sカバーオール

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 こちらは1950年代に製造されたと思われる、「ヘッドライト(HED LIGHT)」のカバーオールです。ヘッドライトは、1897年にミシガン州で創業したラーンドカーター社(Larned,Carter & Co)のブランド。1960年代に「カーハート(Carhartt)」に吸収合併されました。カバーオールは先述の通り厳しい労働環境で着用されることが多かったので、ダメージのある個体が少なくないのですが、フェードスウェット編で紹介したように、近頃はボロボロの個体にも価値が生まれるようになってきています。

1930?50sカバーオール
1930?50sカバーオール
1930?50sカバーオール
1930?50sカバーオール
1930?50sカバーオール

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 昨今、数あるヴィンテージのなかでも特にデニムジャケットの人気の高まりが顕著です。その影響はカバーオールにも波及していますが、現時点ではまだ驚くほどの高騰は見せていない様子です。カバーオールは単純に服としての面積が大きく、普通に着るとワーク感がかなり強くなってしまう印象あるので、僕はスラックスや革靴、シャツなどキレイ目のアイテムと合わせてバランスを取るのが好みです。モールスキンやダック地、ヒッコリーストライプなどの素材が用いられているカバーオールも存在しますが、最も一般的なのはジーンズと同じデニム素材。デニムジャケットに比べると生地が薄いので、ダイナミックな色落ちが生まれにくいことは確かですが、その分軽くて着やすいというメリットもありますよ。

編集:山田耕史 語り:十倍直昭

1930?50sカバーオール


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最終更新日:

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