「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」が、新カテゴリー「アルティ アールエス(ULTI RS)」シリーズを3月28日に発売した。「ハイファッションとパフォーマンスの融合」をコンセプトに掲げ、デザイン性と機能性、快適性において最高のクオリティを結集させたシリーズと銘打った。
商品は3モデルで構成。第1弾として、トレイルランシューズがベースの「ティグトレイル」を全国店舗と公式オンラインショップで4色リリースした。今後は、秋にかけてランニングシューズがベースの「ティグラン」、バスケットボールシューズをもとにした「ティグコート」を順次発売する。新シリーズ「アルティ アールエス」は何が“最高”なのか? 本特集では、キーマンの解説と実際に着用した感想とともに、同シリーズを徹底解剖する。

「ティグトレイル」(2万9700円)
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「ティグラン」(今秋発売予定)
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「ティグコート」(今秋発売予定)
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ブランド100周年を見据えて、原点のスポーツを進化
オニツカタイガーにとって、今回の新シリーズは「ライフスタイルそのものを再定義するシューズという新たな挑戦を示すプロダクト」だと語るのは、庄田良二オニツカタイガーカンパニー長。
庄田カンパニー長は、近年のシューズ需要について「コロナ禍を経てライフスタイルが変化し、旅行やアウトドアも街歩きもスマートにこなすシーンレスなスタイルがますます求められるようになった」と分析。そこで、レジャースポーツというラグジュアリーな体験価値に向けたシューズの開発に至った。同氏は「創業100周年を見据えてスポーツシューズの原点を進化させたこのシリーズは、ライフスタイルに寄り添う新たなカテゴリーになる」と意気込む。

(左から)新シリーズ発表会に登壇した国分大輔オニツカタイガーデザイン開発マネジャー、庄田良二オニツカタイガーカンパニー長
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アルティ アールエスの開発には、トップアスリートを支えるべく研究を重ねるスポーツ工学研究所のノウハウを活用。フットウェアのデザインと開発を担当している国分大輔オニツカタイガーデザイン開発マネジャーは「トレイル、ラン、バスケットボール、それぞれのスポーツに求められる機能と日常に求められるデザイン、履き心地をシームレスに繋いで再構築した」と説明する。

新シリーズ発表会の展示
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一番重視したのは「足裏で感じる体感」だという。「最高の素材と最高の組み合わせによって、足入れの瞬間から、ほかにはない特別なライド感(履き心地)を実現できた」と国分マネジャー。トレイルランのティグトレイルは安定した走りをサポートする耐久性とクッション性を、ランのティグランは長時間のランニングでも快適なクッション性を、バスケのティグコートは激しい動きにも追従するフィット性と安定性にこだわった。

ティグコート
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象徴的な機能をあえて見せるデザインに昇華
まず、3モデルに共通しているスペックから紐解いていく。アルティ アールエスの核となるソールで目を惹くのは、同社を代表する革新技術の一つである衝撃緩衝機能のゲル。このシリーズでは、ゲルをあえてアイコニックに際立たせるデザインの「ビジブルゲル」を採用した。

ゲルが外側に飛び出しているようなデザイン
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カラーはスポーツシューズでは珍しいワントーンで統一することで、洗練された雰囲気に。日常のワードローブに溶け込むトーナルカラーを共通コンセプトとした。ロゴも「オニツカタイガーストライプ」をベースに新たに生まれ変わった。「日本文化のあやとりや組ひもに着想し、一筆書きのように重なり合うデザインで、シンプルながら躍動感を持たせた」(国分マネジャー)。

発表会時に国分マネジャーが着用していた“アルティ アールエス”
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アイコンと日本文化を融合させた新ロゴ
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山から街まで網羅する、ティグトレイル
第1弾としてリリースされたばかりのティグトレイルは、凹凸のある路面や滑りやすい路面といった不整地が多いトレイルランを想定した、コントロール性能を向上するソールが特徴。

ティグトレイル
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ミッドソールには、軽量かつ反発性に優れたフライトフォームを採用することでダイレクトなクッション感を実現。前足部分はあえてソールを薄くして、地面をしっかりとらえる履き心地に配慮した。足裏の中央部分には、硬いパーツのトラスティックを組み合わせることで、走行時の転倒や怪我につながる足のねじれを予防する。

ミッドソールはかかと部分を厚く、前足部分を薄く設計
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ゲルの下部分から中央にかけて“トラスティック”を搭載
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アウトソールは、路面状況によって全方向へのグリップ力が求められるトレイルランに合わせて、菱形形状のブロックを組み合わせた。アッパーのデザインは、質感が異なるメッシュ素材をミックスして構成。オープンメッシュの上に半透明メッシュを重ねて、砂などがシューズの中に入るのを防ぐ機能性、トランスペアレントなデザインのファッション性を両立させている。

菱形状のブロックが特徴のアウトソール
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質感が異なるメッシュ素材をミックス
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アッパー内部とタン部分を一体化させたハーフモノソック構造によって、小石の侵入を防ぐとともにフィット力も高まる。靴ひもを通す穴のアイレットはループ状になっており、「トレイルランの時は靴ひもをぎゅっと締めてタイトに、日常で履くときはひもをゆるめて今っぽく、快適に楽しめます」と国分マネジャー。

ループ状のアイレット
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ハーフモノソック構造
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実際に試着してみると、まず感じられるのは安定感の良さ。包まれているような心地よいフィット感で、見た目以上に履き心地は軽い。普段使いはもちろん、しっかり歩くような旅行シーンにも活躍する一足になりそうだ。また、スポーツシューズによくみられる多色デザインやロゴの主張がないワンカラーなので、コーディネートにも馴染みやすい。ぽってりとしたソールの存在感がほどよいアクセントにもなる。

ティグトレイル
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残りの2モデルは秋にむけて順次リリース
? ティグランは、長時間にわたるランニングに耐える快適なクッション性が最大の特徴。反発性とクッション性を両立させる、二層式のミッドソール構造を採用した。アウトソールからは虎柄や肉球のモチーフがのぞき、ブランドらしい遊び心も散りばめている。

今秋発売予定のティグラン、全6色展開を予定
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ティグラン
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ティグラン
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ティグラン
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バスケットボールに対応したティグコート アールエスは、コート上での激しい動きに追従できるフィット性と安全性を重視。かかと部分には、着地時のクッション性を高めるフライトフォームとビジブルゲルを搭載した。外側には硬質のトラスティックによって、ステップ時に足が外側にぶれるのを防ぎ、より高い安定感をもたらしている。

今秋発売予定のティグコート アールエス、こちらも全6色展開を予定
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ティグコート
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ティグコート
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ティグコート
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「単なるライフスタイルシューズではない」と庄田カンパニー長が語る通り、アルティ アールエスシリーズはどこまでも快適でありながら“本格的なスポーツを妥協なく楽しめる”シューズであるところが最大のポイントだろう。ティグランとティグコートは、今年の秋以降に発売予定だ。
Chikako Ichinoi
1986年神奈川生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、三越伊勢丹に入社。伊勢丹新宿本店メンズ館の紳士雑貨でアシスタントバイヤーを務めた後、2011年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、主にメンズファッションを担当。ピッティ、ミラノ、パリメンズコレクション取材を始め、セレクトショップや百貨店、ファッションビルのビジネス動向を取材。現在はフリーランスとして、ファッションやライフスタイル系の記事執筆を手がける。男児と女児の母。
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