
Image by: FASHIONSNAP (Photo by Alba Yruela)

Image by: FASHIONSNAP (Photo by Alba Yruela)
ミラノのホテルから始まる、ショー当日の時間。「ディーゼル(DIESEL)」2026年秋冬コレクションのショーを目前に控えた仲里依紗の一日は、いつもの会話と少しずつ高まる高揚感に包まれて進んでいく。Intimateな空間とPublicな場で見せる姿——そのコントラストを切り取る。

春のように柔らかな光が差し込む、昼下がりのホテルの一室。
ミラノファッションウィークの幕開けを告げるのは「ディーゼル」のショー。街の空気を一気にファッションウィークへと加速させる、いわばアクセルのような存在だ。
ショー前特有のふわふわとした感覚の中で、準備はいつもの手順で賑やかに進んでいく。


完成した衣装とメイクがフラッシュのもと日の目を浴びるまで、あと1時間と少し。
この日、仲里依紗が選んだのは、光を受けてきらめくスパンコールを散りばめた、色彩画のようなニットカーディガンに、大胆なカットアウトから肌がのぞくセンシュアルなボディスーツを合わせたスタイル。フェミニンさの中に、どこか反骨的なストリートのムードが宿る一着だ。
相反する要素が共存するそのバランスこそ、「ディーゼル」の自由な精神を体現している。


衣装の決め手はいつも直感。「見た瞬間ピンときた」という言葉どおり、女優としての顔、そしてSNSで惜しげもなくさらけ出す素顔からあふれる圧倒的なカリスマ性——そのどちらにも自然に重なるスタイル。
ショーへ向けて刻一刻と時間が近づき、出発までフィルムカメラのシャッター音が響くたび、呼吸や動きに合わせて服はまるで肌のように身体へ馴染み、着る人だけのラインを引き出していく。





舞台はショー会場へ。
先ほどまでの空気とは対照的に、空間は一気に熱を帯びていく。
無数のカメラやiPhoneのレンズが向けられるPublicな場。会場の熱気とわずかな緊張が交錯する中、女優?仲里依紗としてその場の視線を自然と引き寄せていく。






真っ白な会場に敷き詰められたのは、これまでディーゼルのショーやキャンペーン、ストアで使用された小道具の数々。アンダーウェアやスプレー缶、空き瓶やトランプ、タバコの吸い殻、コンドームといった無数のプロップは、これまでディーゼルが放ってきた“パーティ”の軌跡でもある。



アーカイヴの断片が積み重なるインスタレーションの中を、ルックが次々と現れる。ラフに崩されたシルエット、実験的な素材使い。完璧に整えるのではなく、どこか未完成のままの美しさを肯定するような佇まい。その混沌とエネルギーこそが、グレン?マーティンスが描く「ディーゼル」の現在形だ。
ランウェイの時間は、ほんの数十分。それでも、その一瞬のために積み重ねられた準備や、会場に満ちる熱気が、この瞬間を特別なものにしている。




ホテルでの準備の時間も、ランウェイの熱気も。
そのすべてが重なり合い、「ディーゼル」のショーの時間がひとつの瞬間を形づくっていた。

KNIT ?140,800、BAG ?90,200/すべてDIESEL
photographer: Alba Yruela , video director: Shunsuke Nakamura, video editor:?Akira Polenghi, hair & makeup: Yoko Nasu | text & edit: Yuui Imai, project management: Tomoya Sasaki(FASHIONSNAP)
最終更新日:










