FASHIONSNAPの恒例企画、経営展望を聞く「トップに聞く 2024」。番外編として、トップの皆さんに聞いた「2023年に読んで良かったおすすめの本」をまとめてご紹介します。
目次
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ZOZO 澤田宏太郎社長──「今読む方が面白い」2年前の“未来の思考”を読み解く
澤田宏太郎社長
この著者の本は、時間軸のスケールの大きさが面白いのですが、この本では少しそのスケールを小さくして、すぐ訪れそうな未来をリアリティをもって論じています。2年前に出版されたものですが、それを今読み、この2年間の世の中の動きと照らし合わせるとさらにリアリティが増すので、今読む方が面白いです。
21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考 (河出文庫)
著: ユヴァル?ノア?ハラリ
翻訳: 柴田裕之
メーカー: 河出書房新社
発売日: 2021/11/05
価格: ?1,188(2024/04/16現在)
スタイリングライフ?ホールディングス BCLカンパニー 大村和重社長──人との接し方に悩んでいる人に最適な一冊
大村和重社長
コロナ禍から世の中が正常に戻ってきましたが、社員の「心の健康」について悩んでいた時期に出合い、非常に参考になりました。「自分の心に素直になる」というのは言葉では簡単でもなかなか出来ないものなので、人との接し方に悩んでいる方だけでなく、悩んでいない方にも読んでほしい本です。
花王?前澤洋介 上席執行役員 化粧品事業部門長──逆境を生き抜く方法を“雑草の強さ”から学ぶ
前澤洋介上席執行役員
雑草の強さは、「逆境」に対するスピーディーな「変化」と、たくさんの小さな種子による「多様性」によって、頑健に生き抜くということであり、ビジネスにも通じる興味深い話でした。さらに、雑草の生態に関する情報は新鮮で興味深く、身近な自然から新たな視点を得ることができる本です。
I-ne 大西洋平 代表取締役社長──会社の本質を思い出させてくれた一冊
大西洋平代表取締役社長
世の中の仕組みに則っている間に忘れてしまいそうになっていた、会社の本質を思い出させてくれた本。「途方もないことをやろうとするからこそ『戦略』が必要なのであって、確実なことをするだけならち密な計算があれば済む」。起業したときの意志、自社のMISSIONを言語化したときの意志を大切に経営したいです。
アシックス 富永満之代表取締役社長COO──立場が変わった今、改めて手に取りたい本
富永満之代表取締役社長COO
ティム?クック氏には一度もお会いしていませんが、同時期に工学部を専攻しMBAを受講、IBMで過ごした時期も一緒で、勝手に親近感を持ってこの本が出版された2019年に一度読みました。私が今年、代表取締役社長を任命されたタイミングということもあり、スティーブ?ジョブズというカリスマ創業者の後にオペレーションエクセレンスでAppleを世界一の企業に導いた経営手法を改めて読み直しました。無理をせずに自然体で、自分の強みを活かして次のステージに持って行ったことに改めて感銘を受けました。
Tim Cook: The Genius Who Took Apple to the Next Level (English Edition)
著: Kahney, Leander
メーカー: Portfolio
発売日: 2019/04/16
価格: ?750(2024/04/22現在)
ポーラ?オルビスHD 横手喜一社長──坂本龍一と分子生物学者?福岡伸一の対談から紐解く組織のあり方
横手喜一社長
西洋的な思考体系を追求した2人が、最終的に西洋的な思考体系や文化体系の限界にたどり着き、そこに東洋的なモノの認識や思考のあり方についてお互い向き合っています。この本をきっかけに、弊社が2029年に迎える100周年にまでつながる組織について考えました。多くの人が交じり合う中で、どうしたら組織という生命の永続性を作り出せるのか。厳格なルールから漏れたものにこそ価値を見出すように、あえて壊してみることで「『が』仕事」を生み出すなど。組織は決して機能論ではないと感じました。
日本ロレアル ジャン-ピエール?シャリトン社長──「我々と真逆の人生」静寂に満たされる日本の自然
ジャン-ピエール?シャリトン社長
私たちはキラキラとした毎日、また喧騒の中を生きていますが、「陰翳礼讃」は日本の自然の中の静寂や陰影を称賛していて、心が落ち着きます。我々と真逆の人生ではあるが、そこが楽しく、とてもいいですよね。この本を読んだ時、静寂を感じられ、今あるもの以外で満たされる感じがします。そういった静かな時間や瞬間を持ちたいと思います。
アダストリア 木村治社長──失敗した話こそ勉強になる
木村治社長
僕はいろいろな経営者の方とお話をする事がありますが、必ず失敗した事を聞きます。成功事例は沢山ありますが、失敗した話こそ勉強になるからです。もともと歴史が好きな事もありますが、この本の英雄たちに学ぶ教訓が経営にも生きています。アダストリアの経営も失敗を恐れず、まずチャレンジする→失敗する→早く修正できる、なんです(笑)。
■「トップに聞く 2024」バックナンバー
?高島屋 村田善郎社長 百貨店から進化へ──専門店との融合、金融事業強化、働き方改革の先に見据える“2031年の姿”
?日本ロレアル ジャン-ピエール?シャリトン社長 2023年は過去25年で最高の年、今後は日本ブランドのM&Aも視野
?ポーラ?オルビスHD 横手喜一社長 自分自身を発信し会社の進むべき道を指針、社員には「『が』仕事」を期待
?コーセー 小林一俊社長 「私だって大失敗して今がある。だからチャレンジしてほしい」
?パルコ川瀬賢二社長 12年ぶりの社長交代で見えたもの
?アシックス 富永満之社長COO グローバル売上8割、インドを中核のひとつにマーケットシェアナンバー1へ
?I-ne 大西洋平 代表取締役社長 上場来の4期連続過去最高増収増益も、「良い時こそ、違和感を持つことが大事」
?前澤洋介 花王?化粧品事業部門長 カネボウ化粧品社長 欧州でも存在感発揮へ、グローバル戦略を加速
?GU 柚木治社長「日本に閉じこもって何もしないことこそ一番のリスク」
?ユナイテッドアローズ松崎善則社長 販売員のDX化、2度目のコスメ挑戦、“UAを知らない”若い世代への訴求の対応策を聞く
?ロクシタンジャポン木島潤子社長 社長業もシェアリング、「当たり前を打破する」戦略で成長軌道へ
?スタイリングライフ?ホールディングス BCLカンパニー 大村和重社長 V字回復の2023年、今年は食品市場に参入へ
?文化服装学院 相原幸子 学院長「名実ともに世界一のファッション教育機関に」
?マッシュHD近藤広幸社長「コラボというだけで一概に悪とは言えない」
?ZOZO 澤田宏太郎社長 ゾゾタウンが20周年、EC企業からの進化を目指す現在地を聞く
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