
左:「YUKI FUJISAWA」代表 藤澤ゆき、右:「『ニューオールドカリモク』 by YUKI FUJISAWA」会場写真
Image by: 嶌村吉祥丸
カリモク家具が、テキスタイルレーベル「ユキ フジサワ(YUKI FUJISAWA)」がキュレーションを担当する展覧会「『ニューオールドカリモク』by YUKI FUJISAWA」を東京?西麻布の「カリモク コモンズ トウキョウ(Karimoku Commons Tokyo)」で4月26日まで開催。
同展では、ヴィンテージの衣服に箔や染めをあしらい、ファッションとしての新たな価値を創造してきたユキ フジサワと、木が過ごしてきた月日と同じ時間以上に使用できる家具の制作を目指してきたカリモク家具がタッグを組んで手掛けた、世界に一つだけのアップサイクル家具 計13点を公開しています。本記事では、見るだけでは伝わり切らない展覧会や各作品の豊かな制作背景と細部にまで込められた思いを、ユキ フジサワ代表の藤澤ゆきさんによる同展のギャラリーツアーやインタビューで語られた言葉とともに、たっぷりとお届けします。








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目次
Part 1:藤澤ゆきの言葉とともに辿る、ギャラリーツアー編
「『ニューオールドカリモク』 by YUKI FUJISAWA」と名付けられた同展では、ユーザーの間で「オールドカリモク」の愛称で親しまれている、カリモク家具が1970?1980年代にかけて製造していたヴィンテージ家具に藤澤さんが着目。ユキ フジサワのディレクションのもと、ユキフジサワ、木彫作家のうまのはなむけさん、イラストレーターの三宅瑠人さん、木工旋盤作家の市川岳人さんという4人の手仕事にまつわる作家とカリモク家具の熟練の職人が共同で制作し、長年愛用されてきた「オールドカリモク」に新たな個性と価値を与えて生まれ変わらせた、スペシャルな一点物を展示販売しています。
会場では、藤澤さんと公私ともに親交が深いという音楽家の青葉市子さんによる心地良い音楽と、会場構成を担当したHYOTAさんによる“魔法の空間”がお出迎え。「今あるものをつなぎ直し、時を越える魔法をかける」という同展のコンセプトワードから着想を得て、家具が宙に浮いているなど、作品の世界観を遊び心とともに豊かに表現した展示空間が広がります。
◆“誰か一人は「心から欲しい」と思ってくれるような”色とデザインの3脚の椅子

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会場入口を入ってすぐの「時間を遡ったり、反対に未来に繋がっていくようなイメージ」を表現したという展示空間に並ぶのは、淡く美しい色合いと愛らしい動物や花のモチーフが目を惹く、3脚の椅子。いずれも、1974年誕生のアメリカ開拓時代の家具をモチーフにした「コロニアル」シリーズをはじめ、カリモク家具で長年愛されている椅子がベースになっているそうです。
3脚とも、オリジナルの塗装をカリモク家具の職人さんが丁寧に剥がして新たな塗装を施し、藤澤さんが手染めした繊細な表情と色合いのファブリックに張り替え。さらに、それぞれ木彫作家 うまのはなむけさんによる木彫の馬やチューリップ、リスなどのモチーフをアームや背もたれのトップのパーツに、イラストレーターの三宅瑠人さんによるスイセンのイラストを座面に箔であしらうことで、他にはないスペシャルな1脚に仕上げています。

















うまのはなむけとコラボした木彫の馬とチューリップをあしらった椅子
Image by: 嶌村吉祥丸
なかでも「ニューオールドカリモク」シリーズの特別な点は、その「色」。今回全ての作品は、一度元の塗装を剥がした上に新たに色を重ねているため、部分的に残った下地の色が見えていたり、少しムラになっていたりと、通常カリモク家具で新品の家具に施される均一な塗装とはかなり表情が異なっています。

藤澤ゆき
新品とは違い、時間が重なっている痕跡が家具に残るというのがすごくおもしろいなと感じました。塗装の色味自体も、一見すると白に見えるくらいものすごく淡いミントグリーンにしていたりと、既存の家具にはないような色を目指して作りました。せっかく一点物を作るなら、マスには需要がなくても100人中誰か1人は「心から欲しい」と思ってくれるような、おもしろい色がいいなと思ったんです。
「お直しで新しい色を塗布する」という挑戦は、カリモク家具の80年の歴史の中で初めてのことでした。今回制作した家具は、前の塗装の色の揺らぎが残っていたりするのですが、それは工業製品としての品質が求められる通常の家具販売ではやってはいけないこと。でも、今回藤澤さんや他の作家さんたちと一緒にお仕事をする中で、工場生産では均一にする方向に寄ってしまいがちな色味や質感の“揺らぎ”を良しとする制作を通して、我々の工場の職人たちもすごく頭に汗をかきながら、とても楽しい経験をさせていただきました。

カリモク家具 担当者
◆“魔法の空間”に浮かぶ、4人の作家の手による個性豊かな家具

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会場の奥に続く通路へと進むと、個性豊かな家具たちが宙に浮かんだ“魔法の空間”が登場。三宅瑠人さんによる鳥や蝶、草花のイラストがカリモク家具のレーザー加工技術で彫刻のようにあしらわれた「花台」や、天板に北極の氷のようにも見える“昭和ガラス”を載せ、引き出しの引き手にうまのはなむけさんによるシロクマとヒグマの顔やおしりのモチーフをあしらった「整理箱」、木工旋盤作家?市川岳人さんが脚を手がけた机と収納が一体型になった家具「ライティングビューロー」など、それぞれの作家の作風とその魅力が活かされた、昔懐かしい家具をベースにした作品が並びます。
今回家具をセレクトするにあたって、藤澤さんは「現代では無くなってしまったけれど、視点を変えると実はおもしろいもの」といった視点も取り入れたそうです。














藤澤ゆきによる虫食いのテーブル
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そして、今回の展示作品の中で唯一藤澤さんが単独で手掛けたのが、「ナラ枯れ」と呼ばれる虫食いの一種によるダメージが起きた木材に“金継ぎ”のように金を刷り込み、夜空や宇宙のような天板に仕上げた藍色のテーブル。通常は見た目の問題で家具用材としては活用されにくい虫食いの材を見せてもらった藤澤さんは「ユニークでおもしろい」と感じ、自身の制作で用いる”箔のお直し”から連想して、このような形で生まれ変わらせたとのこと。また、原木が辿ってきた時の流れを感じられるようにと、天板はあえて“耳”を残した有機的なデザインに仕上げられています。

藤澤ゆき
山の伐採を見させていただいて初めて原木の状態で木を見たとき、一本の木が育って、自分たちの生活に流れて来るまでにすごく時間がかかることを知りました。「おじいちゃんが植えた木を孫が伐る」みたいに、世代を超えて「木」という材料が作られ、それが私たちの時間に繋がっていくというのが、今の自分たちのものづくりとは全く違う時間軸で動いているということに感動して。だから、その痕跡も佇まいとしてうまく家具に残せたらいいなと思い、テーブルの天板の部分に“耳”をそのまま残しています。





うまのはなむけが手掛けた、人魚や貝のモチーフをあしらった電話台。「人魚の宝物を入れられるように、二枚貝のモチーフになっています」(藤澤ゆき)
Image by: 嶌村吉祥丸
通路の奥の“暗がり”に佇むのは、昔おばあちゃんの家にあったような「電話台」。サイドには人魚が、引き出しの取っ手には二枚貝のモチーフが、うまのはなむけさんの手によって彫られています。この作品の一番の秘密は、引き出しに隠されたオルゴール。後ろのゼンマイを巻いて引き出しを開けると、会場音楽を手がける青葉市子さんの代表曲の一つ「アンディーヴと眠って」がノスタルジックに流れます。
◆過去や未来の時に想いを馳せる、遊び心あふれる大物家具たち

Image by: 嶌村吉祥丸
暗がりを抜けた先の空間では、三宅瑠人さんの手によるドイツのおもちゃをイメージした壁掛けの飾り棚や、スイセンの椅子、うまのはなむけさんによる“小さな海の世界”をイメージしてデザインされたライティングキャビネット、市川岳人さんが脚や車輪のパーツを手がけたトロリーとシルバーの脚の楕円形のダイニングテーブルなど、今回の展示作品の中でも大物の家具たちが揃います。





























市川岳人作のトロリー
Image by: 嶌村吉祥丸

藤澤ゆき
実はトロリーは、今回私が個人的に欲しいと思って選んだもの。アトリエでシルクスクリーンプリントをするときに台車にインクを乗せたりするのですが、自分が死ぬ時にこのトロリーが“画家のパレット”みたいになっていて、次にこれを手にした人が「どんな人が使っていたんだろう」と想いを馳せるような形で時間が重なったら面白いなと思ったので、あえて塗装のない状態でお願いしました。
◆「昭和ガラスの宝箱」「一点物の手刷り表紙の制作日記」「“過程”が残る写真やキャプション」





「銀河の宝箱」は残念ながら既に完売。現在は異なるデザインの昭和ガラスをあしらった「昭和ガラスの宝箱」をオンラインで販売中とのこと。
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「ニューオールドカリモク」の作品に加えて、会場ではユキ フジサワが監修し、昭和の型版ガラス「銀河」とホオの木を用いてカリモク家具と共同制作した本の形の木箱「銀河の宝箱」(1万9800円)や、代表作のアランセーターを作るまでの時間に出会った職人さんやバルト三国への旅の記録などを綴ったユキ フジサワ初の書籍「わたしを編む つくる力を、手のうちに YUKI FUJISAWA 制作日記」(4950円)も販売。表紙は全て、手刷りの箔による異なるデザインが施された一点物なので、自分だけの心ときめく特別な一冊に出合えます。

藤澤ゆき
「昭和ガラスの宝箱」は、ブランドカラーや青葉市子さんと訪れた南の島で見つけた藍染の手ぬぐいから着想を得た、エメラルドグリーンのような深みのある海の色にも、夜空のような奥行きのあるブルーにも見える色合いにホオの木を染めてもらいました。初めはなかなかいい色に染まらなかったものの、最後に工場を訪れた際に職人さんに相談していろいろな提案をしていただいた結果、当初想定していたものを超えるとてもよい仕上がりに。「やはり全ては現場で起きているんだな」と実感しました。
さらに会場では、書籍の編集と文を担当した編集者 野村由芽さんのテキストによる「ニューオールドカリモク制作日記」を記したリーフレットも展示?配布。野村さんが4人の作家とカリモク家具の加藤洋さんに伺った制作にまつわるエピソードを読むと、この展覧会をよりいっそう豊かに味わえそうです。そのほか、今回の作品の制作過程や完成した姿を、それらが生まれた場であるカリモク家具の工場で写真家の濱田英明さんが捉えた写真の展示や、サンプル制作した板を活用して手刷りの箔でテキストを載せた作品のキャプションなどもあるので、ぜひ隅々まで注目しながら楽しんでみてください。








「ニューオールドカリモク制作日記」
Part 2:展示と制作の背景をさらに深く知る、インタビュー編
ここからは、「『ニューオールドカリモク』by YUKI FUJISAWA」展と各作品にまつわるエピソードや制作の背景にある思いを、藤澤さんへのインタビューを通してより深くお届け。既に展示を観に行った方もこれからの方も、その背景にある思いやストーリーを知ることで、過去から未来へと繋がる時間や記憶の痕跡をもち、心に豊かさや安らぎをもたらしてくれる価値観と手仕事に裏打ちされた作品たちの魅力を、ぜひじっくりと味わってみてください。
新たに作るのではなく、「古いものに新しい光を当て、次にバトンを繋げていく」
???まずは、ユキ フジサワとカリモク家具の出会いについて教えてください。
カリモク家具さんと知り合ったのは、実は私がいち消費者として、ホームページの問い合わせフォームからメールを送ったことがきっかけでした。2022年に、私がカリモク家具さんと石巻工房さんが展開している「AA スツール」という椅子に「無垢の状態のものがあれば自分で色を塗りたい」と思って問い合わせたところ、カリモク家具副社長の加藤洋さんがたまたまそのメールを見つけてくださって。当時、カリモク家具社内でも人気のあったNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」のオープニングタイトルバックのテキスタイルを私が手掛けていたこともあり、「面白そうな人から問い合わせがあったから、オンラインミーティングをしましょう」ということになったんです。

「YUKI FUJISAWA」代表の藤澤ゆき
Image by: 嶌村吉祥丸
???そこから、どのようにして今回のプロジェクトが実現したのでしょうか?
その後、カリモク家具さんの工場にお邪魔したり、山の伐採の現場を見させていただいたりする中で、「ユキ フジサワのデザインで新しい家具を作ってみませんか」とお声がけをいただいたのがはじまりでした。
でも、私は「ユキ フジサワ」というテキスタイルレーベルを通して、ヴィンテージのアップサイクルや箔を使った表現によるものづくりなどをずっと追求してきましたし、カリモク家具さんがこれまで作ってきた素敵な家具が既にたくさんあることを考えると、「私が家具のデザインを“新しく作る”というのはちょっと違うかな」と思ったんです。そこで、自分がやってきたことに立ち返り、「古いものに新しい光を当て、次にバトンを繋げていく」という制作をカリモク家具さんと一緒にやりたいなと思い、今回の企画を提案しました。
1年ほど前から構想を始めて、互いに工場やアトリエを行き来しながら「どのようなものづくりが良いか」をじっくりと相談し、昨年の10?11月ごろから、この展覧会開催に向けて動き始めました。
???今回は藤澤さん一人で作品を作るのではなく、キュレーション?ディレクションしながら他の作家さんたちと一緒に制作。その理由とは?
一つには、私は布の色や表層のテクスチャーを作るような平面的なものづくりが好きであり得意なのですが、立体的な作品には昔から少し苦手意識があって。だから、カリモク家具さんと家具作りでご一緒するなら何ができるだろうと考えたとき、「せっかく作るなら、自分の好きな作家さんが作った家具を見てみたいな」と思ったんです。

うまのはなむけとコラボレーションして制作した陶器のボタン
Image by: 嶌村吉祥丸
これまで、私はいろいろな作家さんと出会いながらユキ フジサワの制作を行ってきたのですが、基本的にみなさん個人で活動されているため、あまりプロダクト的なものを作っていない方が多くて。そういった中で、「この作家さんが普段よりももっと大きいスケールで作品を作ったらどうなるんだろう」と思う気持ちもありました。そこで、インダストリアルな製品を手掛けるカリモク家具さんと自由なものづくりを行う作家たちが手を組んだら、きっと良い相乗効果が生まれるのではと思い、今回自分以外の作家さんたちをお招きすることにしました。
???実際に、他の作家や工場の職人の方たちと共同制作されてみていかがでしたか?
当たり前なのですが、「みんなで作ると楽しいな」と感じました。一人で作る楽しさもありますし、アランセーターなどはもちろん職人さんが編んでくださるのですが、いつもはデザインも発表も自分でやっているので、普段のユキ フジサワとはやはり違うなと。今回はユキ フジサワが主催ではありつつも、カリモク家具さんや作家さんたちとチーム一丸となって進んできました。実際、今回自分一人で作った作品は「虫食いのテーブル」だけで、それ以外は共作したりディレクションしたり、なかには作家さんにそのままお任せしたものもありました。
また、カリモク家具の工場の職人さんたちとも、それぞれの作品を尊敬するまなざしをもちながら、お互いに“ない”ところをうまくサポートし合うような、すごく幸せな関係性の中でものづくりをすることができて。だからこそ、そういった“喜び”のある家具を作ることができたなと思っています。

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???そんな“喜び”の溢れる家具たちをディレクションするにあたり、どのようなことを意識しましたか?
今回は作家の手仕事はもちろん、例えば三宅瑠人さんの作品は手描きのイラストをデータ化してレーザー加工で家具に施していたりと、現代の機械的な技術も組み合わせて使っていて。その中で、布地は必ず自分が手で染めるなど、「手の痕跡」が見えるようなものを作ることを意識しました。
ただ、私は一点物を作ることが多いので、傍から見るとアーティスト気質に思われるのですが、実は自分が使うものに関しては、実用性や利便性を大事にした“質実剛健なもの”が好きだったりもして。でもやはり、「他にはない、本当に心にぐさっと刺さるものだけを身の回りに置きたい」という思いもある。なので、今回は作家たちが作った“作品”でもありながら、実際に座れるし使えるという実用性も兼ね備えているところが、すごくおもしろくて最高ですし、他にはないものができたなと感じています。

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「揺らぎ」や「不完全さ」があることの豊かさと安らぎを
???他にはないという点でいうと、過去の痕跡や時間の重なりが見える“均一ではない色”もとても素敵でした。
私は「揺らぎ」や「不完全」という言葉がすごく好きで、そういうものが人間以外のものにもあった方が豊かなんじゃないかなと考えていて。なんだか、全てが均質になると疲れてしまうなと思うんです。
??「揺らぎ」や「不完全さ」は、藤澤さんのこれまでのものづくり全てに通じる要素だと感じます。その背景には、どのような思いがあるのでしょうか?
私は、ユキ フジサワで「ニューヴィンテージ」というヴィンテージをアップサイクルしたシリーズを10年以上ずっと続けているのですが、それをなぜ続けられるかというと、「壊れているものを直している時間」のようなものに、自分が安らぐからなんですよね。“壊れる”のは“揺らいでいる”からだと思うのですが、それは人間も同じじゃないですか。そういう不完全なものを受け容れると、自分自身や他者のことも受け容れられる気がしていて。そこには、「ますますそういう時代になってほしいな」という気持ちも込めているのかもしれません。

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???今回のプロジェクト全体を通して生まれた、藤澤さんの中での気づきや変化などがあれば教えてください。
ものづくりに関しては、カリモク家具の工場の職人さんたちとの直接の対話ややりとりの積み重ねを通して、「最初に思っていたものとは違う着地点だけど、すごくよくなった」ということがたくさんあって。例えば、ホオの木の宝箱も、初めに私が思っていた「青」で染めようとしてもなかなかいい色に染まらなかったのですが、実際に工場を訪れた際に、職人さんたちから木の特性や染め方などを教えていただき、それを素直に聞いてものづくりをしたら、すごくいい色になったんです。それは、自分がものづくりをする上で大切にしなければいけない点だという気づきがありました。

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あとは、このプロジェクト全体を通して「編集」のおもしろさを知ることもできて。これまでも、例えば原美術館で自分の作品を見せるためのプレゼンテーションを行ったことはあったのですが、今回のように「人のものをどう見せるか」を考えながら作品や展示を作っていくのは初めての経験だったので、すごくおもしろかったです。最近書籍を作る中で、編集者の野村由芽さんが「ゆきさんは編集能力がある」と言ってくださったのですが、この展示もある意味「編集」の作業だったと思うので、「私は編集もできるかもしれない」と新たな可能性を知ることができた気がしています。
???一度で終わってしまうには惜しい素敵なプロジェクトですが、今後の予定などもあるのでしょうか?
実は一度限りではなく、ひっそりと今後も継続していく予定です。まだ頻度や時期などはっきりとはお伝えできないのですが、例えば、次回はガラス作家などの新しい作家さんをお迎えすることで、「ニューオールドカリモク」のシリーズに新たな発展性が生まれていったらいいですね、と今カリモク家具さんと話をしているところなんです。

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■藤澤ゆき
テキスタイル/デザインレーベル「ユキ フジサワ(YUKI FUJISAWA)」代表。東京都生まれ。多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻卒業後、2011年に活動をスタート。ヴィンテージ衣服のアップサイクルや、箔や染めによってファッションの新たな価値を提案している。2016年度TOKYO新人デザイナーファッション大賞受賞。
最終更新日:
??「ニューオールドカリモク」by YUKI FUJISAWA
会期:2025年3月29日(土)~4月26日(土)
会場:Karimoku Commons Tokyo 1階 ギャラリースペース
所在地:東京都港区西麻布2-22-5
営業時間:12:00?18:00
定休日:日曜日
入場料:無料
??トークイベント ~時を越える「魔法」をかける、世界にひとつだけの家具の制作秘話~
日時:4月19日(土)18:00?19:00(17:45 受付開始)
会場:Karimoku Commons Tokyo 3階
開催形式:オフライン(定員25名?満席)、オンライン同時配信
参加費:無料
登壇者:藤澤ゆき(本企画キュレーター/YUKI FUJISAWA)、朝岡有葉(事業開発部/カリモク家具)、佐藤勝利(技術部/カリモク家具)
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