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Image by: FASHIONSNAP(Koji Hirano)
「コム デ ギャルソン(COMME des GAR?ONS)」2025年春夏コレクションは、「怒り」を黒で表した先シーズンから一転、全身白のドレスから始まった。板を並べただけの質素で細いランウェイに、布の彫刻とも言える巨大な造形が一体ずつ現れる様は見る者を圧倒し、その意味を考えさせられるコレクションとなった。
川久保怜は特にこの1年、不安定な世界情勢など暗い世の中から感じたことを創作に落とし込んできた。今シーズンも不穏な空気の世の中を憂い、透明性を持って立ち向かうことを表現したという。序盤の白の3体は一見するとソフトな印象のドレスだが、シーチングをアクリルコーティングで硬化させているため、まるで陶器の人形のよう。そして多くのドレスは透ける素材が重ねられ、チュール越しに様々なプリントを見ることができる。反戦、難民、ゴミ、人権や環境問題を想起させるコラージュや、血のように赤いインクが弾ける模様など。意表をつくほど巨大な三角や四角のフォルムも、人体を守るテントやシェルターを連想させる。ラストは川久保の言う明るい未来への期待の表れか、純白のチュールを立体的に造形しコーティングを施した3体のドレスが、ダークな会場で輝くように光を集めた。
ヘッドピースは「22世紀ジェダイ」としても活動するアーティストの門倉太久斗が制作。シューズは「サロモン(SALOMON)」と「フィレオ(PHILEO)」とそれぞれコラボレーションした。
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