
Image by: FASHIONSNAP(1-141), Backstage by: Hina nagai(142-240)
植田みずきが手掛ける「エンフォルド(ENF?LD)」が、初のショー形式となる2026年春夏コレクションを新宿住友ビル 三角広場で発表した。
エンフォルドは、「マウジー(MOUSSY)」や「スライ(SLY)」の立ち上げに関わった植田みずきが2012年に設立。ブランド名はラテン語で「くるむ?抱きしめる」を意味する。「隠された美(HIDDEN BEAUTY)」をコンセプトに、身体を包み込むような構築的なデザインのアイテムを展開。昨年は、新しくハイエンドライン「アーキタイプ(archetype)」をローンチした。
今季のテーマは、「未知との共鳴」「違いを受け入れ、形を変えて進化する感覚」といったアイデアソースから、「ECHO PLANET」と題した。植田は、「1つの正しさだけではなく、いくつもの感性の層が共鳴し合う理想の世界を表現したかった」と語り、惑星の浮遊感をイメージしたという煙がステージ中央から上がりショーがスタートした。
ファーストルックはUFOを彷彿とさせるバケットハットに短丈のタンクトップとショートパンツのスタイリング。帽子を目深に被ったモデルが観客と目を合わせずに進む様子は、未知の生物との遭遇を予期させた。重力に逆らったヘアスタイルや、メタリックな仮面のようなメイクといった、SF的な演出も随所に取り込まれた。星の煌めきを落とし込んだ編み地のニーハイソックスや、グラフィックをあしらったタイツ、ロンググローブといった小物がスタイリングのアクセントに。煙が立ちこめる“地表“を闊歩するかのようなモデルの足元を彩った、カラフルなバリエーションのフリンジシューズはショーピースとして制作したという。
植田は「ショーで表現したことは物語の中に限定されたものではなく、ブランドの進化も表現している」と話し、身体を覆い包むようなフォルムが特徴のエンフォルドらしさに捻りを加えていった。モデルの動きとともに、コートの下の鮮やかな色使いのインナーがあらわになるスタイルや、ベストやビスチェにロンググローブを掛け合わせたルック、ボディスーツにニーソックスを合わせたスタイリングも目を引いた。全てを覆い隠すのではなく、時に大胆に露出することで、ブランドコンセプトに対する新しい挑戦を試みた。
ショーを終えた植田は、「ブランド誕生から13年間、色んな形で進化してきたことを表現できたと思う」と笑顔を見せた。「10年目くらいから毎シーズン、テーマに合わせてルックだけでなく動画などでも発表してきたが、それだけでは足りないほど表現したいことが溢れてきた。以前はまだ自信がなかったが、今は自信を持って挑戦できると思った」とショー形式での発表に踏み切った理由を明かした。
同ブランドはこれまでに、韓国を中心としたアジアや、一時期はアメリカにも進出。植田は海外での展示会を通じ、ブランドの世界観やストーリーを的確に伝えることの重要性を実感したといい、ショー形式での発表は、グローバル展開への布石だという。今後は、同じくディレクションを手掛ける「ナゴンスタンス(n?gonstans)」と共にショー形式での発表を継続し、時期も「Rakuten Fashion Week TOKYO」と合わせる意向を示した。ブランドの世界観を固めながら発信を強化し、アジア以外に欧米圏への拡大も目指していく。
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